この前は一次不等式の解き方を勉強してきたな。
今日はワンステップのぼって、
分数を含む一次不等式の解き方
を勉強していこう。
例えば次のような$x$についての不等式だ。
$$\frac{x-5}{4}+5>\frac{2}{3}x$$
分数が含まれて臆することはないぞ。
分数を含む一次方程式の解き方や分数を含む連立方程式の解き方と同じだ。
そう、
最初に分母を払えばいい
んだ。
つまり、不等式から分数を消し去ってやるのさ。
分数を掃除できたら、いつも通り不等式をとくんだ。
それじゃあさっきの例題を解いてみよう。
$$\frac{x-5}{4}+5>\frac{2}{3}x$$
まずは分数を消し去っていくぞ。
分数を含む項に注目して、その分母の最小公倍数を不等式の両辺にかければいいんだ。
分母の数を何倍かしたら、2つともそれぞれ同じになる
ような数を探せばいいんだ。
例題では分母が「4」と「6」だよな。
$$\frac{x-5}{4}+5>\frac{2}{3}x$$
この4と6の公倍数はたくさんあるけど、1番小さいのは「12」だ。
4と3をかけたら12になるし、6と2をかけても12になるからな。
この最小公倍数「12」を両辺にかけると、次のように不等式を変形できるぞ。
$$\frac{x-5}{4}+5>\frac{2}{3}x$$
$$12×\frac{x-5}{4}+12×5>12×\frac{2}{3}x$$
$$3(x-5)+60>8x$$
最小公倍数がよくわからない??
そんな時は、
すべての分母の数をかけ算したものを両辺にかける
という荒業もあるぞ。
たとえば次の例だと、分母の「4」と「6」をかけた「24」を不等式の両辺にかけてもいいわけだ。
$$\frac{3x-1}{4}+10>\frac{7}{6}x$$
$$24×\frac{3x-1}{4}+24×10>24×\frac{7}{6}x$$
ぶっちゃけ、この「24」は分母の4と6の公倍数だけれども、最小公倍数ではない。
でも、計算には支障ないからこれでもいいんだ。
不等式の両辺に分母の最小公倍数をかけたほうが、いい。
なぜなら、変形した後に文字の係数が小くて計算しやすい、っていうメリットがあるからな。
でも、別に公倍数なら何をかけてもいい、ってことも頭に入れておこう。
不等式を次のように変形するぞ。
文字(不等号)文字以外
項の移動には移項という技を使うんだ。
移項するときは符号に注意してくれよな。
逆サイドに項を運ぶとき、その項の符号を逆転させればいいんだ。
さっきの例の不等式は次のように変形できるな。
$$3(x-5)+60>8x$$
$$3x-15+60>8x$$
$$3x-8x>-45$$
$$-5x>-45$$
最後は文字の項の前についている数(係数)で不等式の両辺をわるぞ。
最後の最後に文字の項をツルツルにすればいいんだ。
ここで注意したいのは、係数の符号がマイナスの場合だ。
不等式の性質でやったように、
0より小さい数を不等式の両辺にかけたり割ったりすると、不等号が逆転する
という現象が起きるんだ。
つまり、このフェーズでも、もし係数が負の数だったら不等号が逆転しまうぜ。
そして例題ではなんと偶然にも、$x$の係数が負の数$-5$だ。
$$-5x>-45$$
だから、両辺を$x$の係数でわるときは不等号を逆転させて、次のようになるぞ。
$$-5x>-45$$
$$-5x÷(-5)<-45÷(-5)$$
$$x<9$$
以上が分数を含む一次不等式の解き方だ。
注意点は最後のステップだな。
文字の係数で両辺をわるとき、その係数がマイナスだった場合は不等号を逆転させるってことを忘れないようにしよう。
次は連立不等式の解き方を勉強していこう。
それじゃあ!
不等式とは何かわかったところで、いよいよ不等式を解いていくぞ。
高校数学 I で勉強する不等式の1つに、
一次不等式
ってものがある。これはマックスの次数が1の不等式だ。
例えば$x$についての不等式、
$$5x− 1 <9$$
があったとする。$x$がついている項$5x$に注目してみると、$x$が1回しかかけられてないよな。
式$5x− 1 <9$における最大の次数はこいつがマックスで「$1$」ってことになる。
だから、これは一次不等式なんだ。
ここではこの一次不等式の解き方を解説していくぞ。
一次不等式の解き方は次の3ステップだ。
まずは移項から始めよう。
(文字)不等号 (文字以外)
となるよう、一次不等式を変形するんだ。
文字の項が文字以外の項と仲良くしてたら、そいつらを引き離さなきゃいけないんだ。
例えば、不等式の左側で「文字の項」と「数字の項」が一緒になっていたら、そいつはいけねえ。
すかさず数字の項を右側に移項するんだ。
もし、不等式の右側に文字の項がいたら、そいつを左側に持ってくりゃいい。
移項のやり方は方程式と同じだ。
つまり、逆サイドに項を運ぶ時は符号を逆転させればいいんだ。
プラスのやつを逆に運ぶならマイナスをつけるぞ。
なぜ移項が不等式でも使えるのか??
それは、不等式の性質の、
不等式の両辺に同じ数をたしたり引いたりしても、2つの数の大小関係は変わらない
を使っているからなんだ。
例題の
$$-5x− 1 <9$$
に戻るぞ。
左側に
が同居しちゃってるよな。これはまずい。
数字の項 $− 1$を右に移項するぞ。
$$-5x− 1 <9$$
$$-5x <9+1$$
$$-5x <10$$
これで、
(文字)不等号 (文字以外)
という形に変化できた。
次は$x$の前についてる数字($x$の係数)で不等式の両辺をわるんだ。
さっきの例題を見てみる。
$$-5x <10$$
$x$の前についてる数字はどっからどう見ても$-5$だよな?
だから、不等式の両辺を$-5$でわるんだ。
ここでの注意点は割る数の符号な。
割る数がマイナスだったら、不等号を逆にしなきゃいけないんだ。
例題ではなんという偶然か、$x$の前についてるのは負の数だ。
$− 5$で不等式の両辺を割るときは不等号の「$<$」を逆転させて、
$$-5x <10$$
$$-5x÷(-5) >10÷(-5)$$
$$x> − 2$$
となる。
このように、不等式の左サイドを文字1つだけにできたらゴール。これが一次不等式の解なんだ。
基本的な一次不等式の解き方はマスターしたな。
でもな、たまーに、
かっこががついている一次不等式があるんだ。
例えば次のような問題。
$$2(x− 1) <10x+1$$
かっこがいても動ずることなかれ。
分配法則でかっこを外してから、さっきのステップを踏むんだ。
試しにやってみるぞ。
$$2(x− 1) <10x+6$$
$$2x− 2 < 10x+6$$
$$-8x < 8$$
$$x > -1$$
次は分数を含む一次不等式の解き方に挑戦していこう。
それじゃな!
2つの等しくない数の関係を不等号で表した式
だったな。
例えば、
$$5>3$$
とか
$$100000<1000000000000$$
とかが不等式だ。
でもな、たまに文字が含まれている不等式があるんだ。
例えば、$x$についての不等式、
$$5x− 1 > 9$$
があったとしよう。
不等式の左右の数の関係を崩さないような文字の値、
これを、
不等式の解
と人間界では呼んでいるんだ。
例えば、さっきの不等式を見てくれ。
$$5x− 1 > 9$$
$x$に入っても問題ないのは、$3$とか$4$とか$50$でも$100$でも良さそうだ。
こいつら$x$にぶっ込んでも不等式は変わらないよな。
このように、不等式の解はたくさんある。
方程式みたいに1個とか2個とか、そういう次元のレベルじゃない、ってことをまずはおさえようぜ。
そして、不等式の文字に入るたくさんの値を「すべて求める」こと。
これを、
不等式を解く
というんだ。
さっきの不等式の例に戻るぞ。
$$5x− 1 > 9$$
$x$に入れても問題ない$3$とか$4$とか$50$でも$100$、っつうのはすべてこの「不等式の解」に当たるんだ。
でもな、こうやってたくさんの解を列挙するのはとんでもなくつれえよな。
だから、不等式の解はコンパクトに、
不等号で表す!
例えばさっきの不等式 $5x− 1 > 9$ を見てくれ。
$2$より大きいなら、$x$に何を入れても不等号の関係は変わらねぇよな。
だからこの不等式の解は「$x$が$2$より大きいですよ」と表した不等式、
$$x > 2$$
になる。
$3$とか$4$とか$50$とか$100$とか、そういったすべての解をひっくるめて、不等号で表せるんだ。
それじゃあ!
等しくない2つの数の関係を不等号で表した式
だったな。
例えば、
$$x> 1$$
とか
$$x+1 <3$$
が不等式だ。
実はこの不等式には次の2つの性質があるんだ。
$$(1)a<bのとき, a+c < b+c, a-c<b-c$$
$$(2)a<bのとき, c > 0 ならば ac < bc, \frac{a}{c}<\frac{b}{c}, c < 0 ならば ac > bc, \frac{a}{c}>\frac{b}{c}, $$
それぞれ順番に見ていくぞ。
$$(1)a<bのとき, a+c < b+c, a-c<b-c$$
不等式の両辺に同じ数をたしたり引いたりしても、2つの数の大小関係は変わらない、と言っているんだな。
例えば、
$$3 > 1$$
という不等式があったとする。
この両辺に$2$をたしてみるぞ。
$$3+2 > 1+2$$
こいつを計算すると、次のようになる。
$$5 > 3$$
両辺に$2$をたしても大小関係は変わらず、左の方が右よりも大きいよな。
今回は足した場合だけど、引いた場合でも同じさ。
この不等式の性質を使えば、
不等式でも移項できる
ということになる。
移項とは、中学数学の方程式で習ったやつだ。
イコールマークを飛び越えて、逆サイドに項を移動するときに符号を変える技
だったよな。忘れちまったら復習よろしく!
なぜ 不等式も方程式と同じように移項できるのか。
その理由は、この不等式にはこの1つ目の性質があるからだ。
移項したい項を不等式の両辺から引いてやるんだ。
すると、あたかもその数が移項しているように見えるカラクリだ。
例えば、
$$x+1 < y$$
の$1$を右に移項してみる。
そのとき、この$1$を両辺から引いてるんだ。そうすると次のようになる。
$$x+1 < y$$
$$x+1-1 < y-1$$
$$x < y-1$$
$1$が左から右に移動した際、符号が変わってマイナスがついたように見えるな。
このように、方程式と同じように不等式でも移項できるってことも押さえておこう。
$$(2)a<bのとき, c > 0 ならば ac < bc, \frac{a}{c}<\frac{b}{c}, c < 0 ならば ac > bc, \frac{a}{c}>\frac{b}{c}, $$
次の性質はちょっと厄介だぞ。
これは、不等式の両辺にある数をかけたり割ったりしたときの性質を表している。
そのかける数がプラスかマイナスかによってその性質が異なるんだ。
正の数をかけたり両辺にかけたり割ったりした場合、不等式の大小関係は変わらない。
そのまま不等号を維持できるぞ。
例えば、
$$5 > 3$$
という不等式があったとして、そいつの両辺に$2$をかけてみる。
$$5×2 > 3×2$$
$$10 > 6$$
うん、左と右の大小関係わからないよな。
次に、負の数をかけたり割ったりしたときの性質を見てみよう。
その場合、不等式の大小関係は維持されず、不等号が逆になるんだ!
例えば、
$$5 > 3$$
に負の数$-2$をかけるぞ。
$$5×(-2) > 3×(-2)$$
$$-10 > -6$$
あれ、おいおい!
左の$-10$のほうが右の$-6$よりちいせえじゃねえか!
こりゃあ、不等式の不等号がおかしいから、不等号を逆転させればいいのさ。
$$-10 < -6$$
上の検証でわかるように、マイナスの数を不等式の両辺にかけたり割ったりしたら、大小関係を逆転するんだ。
出題者が大好きなトラップなのさ
次は不等式の性質を踏まえて、不等式の解について勉強していくぞ。
それじゃあな!
中学数学では方程式を習ってきたよな。
方程式とは、
2つの等しい数の関係を等号で表したもの
だ。
そう、2つの数を等号(=)、イコールで結んだことを思い出してくれ。
例えば、$A$と$B$と言う2つの数字の大きさが等しいことを表すときは、
$$A = B$$
という方程式を書いたはずだ。
それじゃあ、
2つの数が等しくない時はどうする?
2つの数の関係を数式で表現するのは諦めるしかないのか。
そこで登場するのが、
不等式
だ。
不等式とは、
2つの数の大きさが等しくないことを不等号で表したもの
なんだ。
「不等号」とは2つの数の大小関係を表せる符号で、次の4種類あったよな。
忘れちまったやつは復習しといてくれ。
例えば、
$$3 > 2$$
っていうのも不等式の1種だ。
不等号の口が向いている数のほうが大きいことを表しているから、これは正しい不等式だ。
さらに次のように文字 $x$が混じっていても不等式だ。
$$x+1 > 0$$
こいつは、不等号の口が向いている$x+1$が、その逆側の$0$より大きい、ってことを表してるぜ。
$x+1$は$0$じゃないんだけど、$0$よりも大きいぞ、ってことを意味しているのさ。
うん、これが不等式だ。
繰り返しになるが、不等式とは、
2つの数の大きさが等しくないことを不等号で表したもの
ってことを肝に銘じておこうぜ。
次は「不等式の性質」を勉強していこう。
それじゃな!
二重根号の外し方の公式 って便利だよな。
二重根号の外し方の公式
$a>0, b>0のとき, $
$\sqrt{a+b+2\sqrt{ab}}=\sqrt{a}+\sqrt{b}$
$a>b>0のとき,$
$ \sqrt{a+b-2\sqrt{ab}}=\sqrt{a}-\sqrt{b}$
なんせ、2重のルートを1重にできるんだからな。
使い方もシンプルで、
という条件をみたす2つの数字のセットを見つけりゃいい。
でもさ、この二重根号の公式って何で使えるんだろうな。
ちょっと話がうますぎやしねえか。
ってことで、ここでは二重根号の公式の証明に挑戦しようぜ。
まずは二重根号の外し方の公式のうち、プラスバージョンからだ。
プラスの公式
$a>0, b>0のとき, $
$\sqrt{a+b+2\sqrt{ab}}=\sqrt{a}+\sqrt{b}$
中身の2ルートの前が「プラス」になっている場合の公式な。
まずはルートの中身($a+b+2\sqrt{ab}$)を因数分解するぞ。
こいつを因数分解すると次のようになる。
$$a+b+2\sqrt{ab}$$
$$=(\sqrt{a})^2+(\sqrt{b})^2+2\sqrt{ab}$$
$$=(\sqrt{a}+\sqrt{b})^2$$
この因数分解では中学数学の「因数分解の平方の公式」を使ってるな。
ってことで、二重根号($\sqrt{a+b+2\sqrt{ab}}$)は次のようになる。
$$\sqrt{a+b+2\sqrt{ab}}$$
$$=\sqrt{(\sqrt{a})^2+(\sqrt{b})^2+2\sqrt{ab}}$$
$$=\sqrt{(\sqrt{a}+\sqrt{b})^2}$$
お次はこの前習った「絶対値記号を使った平方根の外し方」を使うぞ。
$$\sqrt{a^2}=│a│$$
だったよな。
ルートの中身が「何か」の2乗になっていれば、その「何か」に絶対値記号をつけてルートを外せるんだ。
$\sqrt{(\sqrt{a}+\sqrt{b})^2}$の中身は「$\sqrt{a}+\sqrt{b}$」の2乗になってるな。ってことは、
$$\sqrt{(\sqrt{a}+\sqrt{b})^2}$$
$$=│\sqrt{a}+\sqrt{b}│$$
となる。
お次は絶対値記号を外すぞ。
絶対値記号を外す時の法則は次のもんだったな。
$$a≧0 のとき │a│ = a$$
$$a<0 のとき │a│ = -a$$
つまり、絶対値記号の中身が0以上なら符号をそのままはずせて、0より小さいなら符号を逆転させて絶対値記号を外すんだ。
二重根号を変形したやつを見てみるぞ。
$$│\sqrt{a}+\sqrt{b}│$$
絶対値記号の中身($\sqrt{a}+\sqrt{b}$)は、0より大きくなるよな。なぜなら、$a>0, b>0のとき,$っていう条件が二重根号のプラスの公式に与えられているからだ。
$a>0, b>0$なら$\sqrt{a}>0, \sqrt{b}>0$、つまりは$\sqrt{a}+\sqrt{b}>0$。
ということは、絶対値記号の中身が0より大きい!
そん時はそのまま絶対値記号外せるんだったよな。
つまり、
$$a>0, b>0より,$$
$$│\sqrt{a}+\sqrt{b}│$$
$$=\sqrt{a}+\sqrt{b}$$
となる。
これで二重根号のプラスの公式を証明できたぜ。
続いてはマイナスの公式の証明だ。
二重根号のマイナスの公式は次のようなものだったな。
マイナスの公式
$a>b>0のとき,$
$ \sqrt{a+b-2\sqrt{ab}}=\sqrt{a}-\sqrt{b}$
これもさっきのプラスの公式と同じ流れだから安心しろ。
$$\sqrt{a+b-2\sqrt{ab}}$$
$$=\sqrt{(\sqrt{a})^2+(\sqrt{b})^2-2\sqrt{ab}}$$
$$=\sqrt{(\sqrt{a}-\sqrt{b})^2}$$
$$=\sqrt{(\sqrt{a}-\sqrt{b})^2}$$
$$=│\sqrt{a}-\sqrt{b}│$$
$$a>b>0より, \sqrt{a}-\sqrt{b}>0$$
$$│\sqrt{a}-\sqrt{b}│$$
$$=\sqrt{a}-\sqrt{b}$$
うん、証明できたな。
ポイントは絶対値記号を外す時だ。二重根号のマイナスの公式を使う前提だった「$a>b>0$」に注目。
$a$が$b$より大きい、ってことは、$\sqrt{a}$の方が$\sqrt{b}$より大きいってことだな。
ってなわけで、絶対値記号の中身「$\sqrt{a}-\sqrt{b}$」は0以上だから、そのまま絶対値記号を外せるんだ。
二重根号の証明につかったのは、
だったな。
それじゃあ!
中学数学ではいろんな根号を外してきたな。
高校数学では2ステップぐらい上がって、
二重根号
を外していくぜ。
二重根号とは文字通り根号が2重になっているやつだ。
根号の中に根号がある、つまりは、ルートの中にルートがあるんだ。聞いただけでやっかいだろ?
例えば次のやつが二重根号だ。
$$\sqrt{7+2\sqrt{6}}$$
初めて見た時はビビるかもしれえねえが、安心しろ。
ありがたいことに、
二重根号を簡単に外せる公式があるんだ。それは次の2つだ。
$a>0, b>0のとき,$
$ \sqrt{a+b+2\sqrt{ab}}=\sqrt{a}+\sqrt{b}$
$a>b>0のとき,$
$\sqrt{a+b-2\sqrt{ab}}=\sqrt{a}-\sqrt{b}$
$2\sqrt{ab}$の符号がプラスなのかマイナスなのかで2パターン公式があるんだ。
どっちの公式でも使い方は大体一緒だ。
要は、
という条件をみたす2つの数字のセットを見つけりゃいいのさ。
そして、そのセットにそれぞれルートをつけたやつを足すのか、それとも引くのかするわけだ。
それじゃあ具体的な例を解いていこう。
$$\sqrt{7+2\sqrt{6}}$$
まずは最初に見たこいつな。
要は、
という条件をみたす2つの数字のセットを見つけりゃいいのさ。
そいつは・・・・そう、
のセットじゃあるまいか?
だって、こいつらたしたら「$7$」だし、かけたら「$6$」だもんな。
ってことで、二重根号の外し方の公式でいう$a$と$b$は、
となる。ゆえ、
$$\sqrt{7+2\sqrt{6}}$$
$$=\sqrt{6}+1$$
になるな。
たまに、二重根号の中に「2ルートがない」問題があるんだ。
例えば次のようなものがな。
$$\sqrt{7-4\sqrt{3}}$$
「2ルート」じゃなくて「4ルート」になっている・・・と。
こういう時はな、
2を強引に作って公式で突破していくぞ。
「4ルート」を「2ルート」にすればいいよな。ルートの中身に$2^2$をかけりゃ、「4ルート」を「2ルート」にできる。
$$\sqrt{7-4\sqrt{3}}$$
$$=\sqrt{7-2\sqrt{3×2^2}}$$
$$=\sqrt{7-2\sqrt{12}}$$
この変形が終わったら、あとは公式通り。
という条件をみたす2つの数字のセットを見つけりゃいいのさ。
そいつは・・・・そう、
のセットじゃあるまいか?
だって、こいつらたしたら「$7$」だし、かけたら「$12$」だもんな。
でも、この公式はマイナスバージョンであることに注意しようぜ。
マイナスバージョンの公式は
$$a>b>0$$
という条件がある。つまり「 $a$のほうがでかい」んだ。
ってことで、二重根号の外し方の公式でいう$a$と$b$は、
ゆえ、
$$\sqrt{7-2\sqrt{12}}$$
$$=\sqrt{4}-\sqrt{3}$$
$$=2-\sqrt{3}$$
になるな。
でもちょっと次の問題を見てほしい。
$$\sqrt{5+\sqrt{21}}$$
こいつも「2がない二重根号の問題」だ。が、しかし、こいつはちょっと厄介。
ルートの前に何もついてないパターンだ。
この場合、さっきみたいに「2ルート」を強引に作ると、二重根号の中身が分数になっちゃうんだ。
$$\sqrt{5+\sqrt{21}}$$
$$=\sqrt{\frac{5×2+2\sqrt{21}}{2}}$$
$$=\sqrt{\frac{10+2\sqrt{21}}{2}}$$
でもな、安心しろ。
分数があろうがなかろうが、やる事は同じだ。
つまり、
無理矢理、二重根号の中身に「2ルート」の形を作って公式に当てはめるだけだ。
すると次のようになる。
$$\sqrt{5+\sqrt{21}}$$
$$=\sqrt{\frac{5×2+2\sqrt{21}}{2}}$$
$$=\sqrt{\frac{10+2\sqrt{21}}{2}}$$
$$=\frac{\sqrt{10+2\sqrt{21}}}{\sqrt{2}}$$
あとは公式を分子の$\sqrt{10+2\sqrt{21}}$で使えばいいな。
という条件をみたす2つの数字のセットを見つけりゃいい。
そいつは・・・・そう、
のセットじゃあるまいか?
ってことで、
$$\sqrt{5+\sqrt{21}}$$
$$=\sqrt{\frac{5×2+2\sqrt{21}}{2}}$$
$$=\sqrt{\frac{10+2\sqrt{21}}{2}}$$
$$=\frac{\sqrt{10+2\sqrt{21}}}{\sqrt{2}}$$
$$=\frac{\sqrt{7}+\sqrt{3}}{\sqrt{2}}$$
$$=\frac{\sqrt{7}+\sqrt{3}}{\sqrt{2}}$$
$$=\frac{\sqrt{2}×(\sqrt{7}+\sqrt{3})}{\sqrt{2}×\sqrt{2}}$$
$$=\frac{\sqrt{14}+\sqrt{6}}{2}$$
オッケー、最後はちょっと厄介だったが、これでゲームクリアだ。
次はこの二重根号の公式がなぜ使えるのか、っていう証明をやっていこう。
証明までマスターしておけば、公式を本番で忘れても大丈夫だからな。
それじゃな!
tomo の高校数学 I の記事をまとめました。
平方根(ルート)の外し方は中学数学でもやってきたな。
高校でもルートはずしまくるんだが、ワンステップ進んで一味一味違う外し方を習得していくぜ。
なんとな、
絶対値記号で平方根を外す
んだ。
高校数学では次の法則を使っていくぞ。
$$\sqrt{a^2}=│a│$$
つまり、ルートの中身が「何かの2乗」なら、ルートを取っ払って、絶対記号をつければルートを外せるんだ。
例えば、
$$\sqrt{3^2}$$
を考えてみよう。
$3^2$は「3を2乗した数」だよな。
ルートの中身が「何かの2乗」なら、ルートを取っ払って、絶対記号をつければルートを外せる
から、
$\sqrt{3^2}$
$=│3│$
となる。
で、絶対記号の中身の「3」は0以上だから、絶対値記号もそのまま取っ払える。
$\sqrt{3^2}$
$=│3│$
$=3$
になるな。
これはルートの中身がマイナスの負の数を2乗しているパターンでも同じさ。
例えば、
$$\sqrt{(-10)^2}$$
だったら、ルートの中身が「-10を2乗した数」だ。絶対値記号を「-10」につければルートをおさらばできるから、
$\sqrt{(-10)^2}$
$=│-10│$
となる。で、絶対値記号の中身がマイナスならマイナスをつけて絶対値記号を外すんだったよな。ってことで、
$\sqrt{(-10)^2}$
$=│-10│$
$=-(-10)$
$=10$
となる。
なぜこの法則が使えるかって??
それは、ルート・平方根の意味に立ち返るとわかるぞ。
平方根(ルート)は
2乗したら「ある数」になる数のこと
だったよな。そして、ルートの中身にその「ある数」が入ってる。
例えば、$\sqrt{2}$ なら、そいつを2乗すれば中身の「$2$」になるって話さ。
だから、ルートの中身が何かの2乗だったら、そもそもルートの記号なんか必要ない。
その正体は、ルートの中身の数、ってことになる。
$\sqrt{9}$ ならその正体は「2乗して9になる数」。$3^2$は$9$だから、$3$になるはずだよな。
という流れを、高校数学では絶対値記号で表しているんだ。
普通の平方根を外せるようになったら、お次は二重根号を外そうぜ。
それじゃな!
絶対値とは、
ある数字の0からの距離
だったよな。

つまり、その数字が0からどれだけ離れているかを大きさで表したものだ。
例えば、「− 2の絶対値」は「2」、「− 15」の絶対値は「15」だ。
たとえるなら、絶対値は「数字のパワー」みたいなもんだ。
この絶対値は中学数学でも勉強したが、高校数学でもこいつがつきまとうぞ。
しかも、高校ではこの絶対値がさらに進化して、
絶対値の記号
が登場するんだぜ。
絶対値の記号は次のものだ。
│
どっからどうみても、縦棒だよな。こいつで数字を挟むと、その挟まれた数字の絶対値を表すことになるぞ。

例えば「2」をこの縦棒「│」で挟んでみると、
│2│
になるな。
この│2│は「2の絶対値」を表すんだ。
絶対値記号の意味を覚えられたら次は、絶対値記号を外す技をマスターするぞ。
絶対値記号を外す時に使える便利な法則があってな、次のものだ。
$$a≧0 のとき │a│ = a$$
$$a<0 のとき │a│ = -a$$
絶対値記号の中の数が0より以上だったら、その数と同じものが絶対値になる。
一方、絶対値記号の中の数が0より小さかったら、その数字にマイナスをつけた数字が絶対値になる、ってことを言ってるんだな。
たとえば、
$│− 5│$
なら、中の数字「-5」は0よりも小さい!
ゆえ、この絶対記号を外したら、その中の数字「-5」にマイナスをつけた数字が絶対値になるから、
$│− 5│$
$= -(-5)$
$= 5$
になるわけだ。
中学数学で何となく理解してできていたことを、高校数学では数式で表してるんだな。
でも、たまーに、ルートが混じった式に絶対値の記号がついているやつがいるんだ。
例えば、次のもの。
$│\sqrt{3} − 3│$
絶対値の記号の中身にルートがついていようがなかろうが、やる事は同じだ。
絶対値記号の中身が0以上か確認して、そうだったらそのまま中身を出せばいい。
中身が0より小さかったら、マイナスの符号をつけて出せばいいんだ。
さっきの例だと、記号の中身の
$\sqrt{3} − 3$
が0以上かどうかみてやりゃいいんだな。
ルート3の近似値は「ひとなみにおごれや」で、
1.730508..
だったな。
ってことは、
$\sqrt{3} − 3$
$≒1.7 – 3$
$≒- 1.3$
だ。つまり、
$\sqrt{3} − 3$は「0より小さくなりそう」だな。
したがって、絶対値記号の中身が0より小さくなるときはマイナスをつけて外せばいいから、
$│\sqrt{3} − 3│$
$=-(\sqrt{3} − 3)$
$=-\sqrt{3} + 3$
になるな。
でもな、絶対記号の中身がさ、ルートだけにとどまらず、
文字がはさまってる問題もたまにあるんだ。
例えば、次のやつ。
$│x+1│$
安心しろ。
文字が挟まっていようがなかろうが、やる事は同じだ。
絶対値記号の中身が「0以上か」判定してやるぞ。
でも、$x$という文字はどれぐらい大きいがわからないよな。
ルートのときみたいに推測できねえ。
こういう大きさがわからない文字のときは
場合分け
だ。
つまり、絶対値記号の中身が
の2パターンに場合分けをするんだ。
そして、それぞれのパターンで絶対値記号を外したときの値を考えるんだ。
さっきの例で考えてみるぞ。
$│x+1│$
中身の$x+1$が0以上の時、つまり不等号で表すと、
$x+1≧0$
つまりつまり、
$x≧-1$
のときだな。
その場合、絶対値記号の中身が0以上だから、そのまま絶対値記号を外すだけでオッケーだ。
$│x+1│$
$=x+1$
一方、中身の$x+1$が0より小さい時、つまり不等号で表すと、
$x+1<0$
つまりつまり、
$x<-1$
のときだな。
この場合は絶対値記号の中身が0より小さい!
ってことで、マイナスの符号をつけて絶対値記号を外すぞ。
$│x+1│$
$=-(x+1)$
$=-x-1$
ってことで、以上の流れをまとめると、
となる。
ふう、文字が入ってると場合分けが登場して少々厄介だが、やることは同じだったな。
ここでマスターした絶対値記号の外し方を使って、次回は「平方根の外し方(高校バージョン)」を勉強していこう。
それじゃな!
高校数学 I ではなんとな、
3乗の因数分解の公式
が登場するぜ。
それはこいつだ。
$$a^3+b^3 = (a+b)(a^2-ab+b^2)$$
それじゃあさっそく、この公式で因数分解してみようぜ。
トライする因数分解の問題は次のやつだ。
$$x^3+27$$
それぞれの項に注目してみると、
になってるな。
さっきの公式でいうと、
になっているはずだ。
ということで、この$a$と$b$を因数分解の公式にぶち込んでやると、次のようになるな。
$$x^3+27$$
$$=(x+3) (x^2-3×x+3^2)$$
$$=(x+3) (x^2-3x+9)$$
うん、こんな感じで公式を使えば3乗の因数分解もいっぱつで終了。まったく、便利な時代だぜ。
数学の教科書には、2種類の3乗の因数分解の公式のってるよな。
つまりマイナスバージョンの公式、
$$a^3-b^3 = (a+b)(a^2+ab+b^2)$$
も書いてあるんだ。
心配すんな、このマイナスの公式は覚えなくても大丈夫だ。
なぜなら、さっき紹介したプラスの公式「$a^3+b^3 = (a+b)(a^2-ab+b^2)$」から簡単に導けるからだ。
ズバリ、プラスの公式の$b$の代わりに$-b$を入れれば出てくるからだ。
試しにやってみるぞ。
$$a^3+b^3 = (a+b)(a^2-ab+b^2)$$
$$a^3+(-b)^3 = (a+(-b))(a^2-a(-b)+(-b)^2)$$
$$a^3-b^3 = (a-b)(a^2+ab+b^2)$$
ほら、出てきただろう??
ってことで、脳の記憶容量を節約するためにも、マイナスの公式は全ツッパのガン無視でも問題ないなんだ。
でもさ、プラスの公式だけでも覚えるの大変だよな。
$$a^3+b^3 = (a+b)(a^2-ab+b^2)$$
どっからどう見ても、明らかに、覚えづらいぜ。
でもな、この3乗の因数分解の公式公式は覚えなくても大丈夫だ。
なぜなら、3乗の展開公式の $(a+b)(a^2 – ab + b^2)=a^3+b^3 $ を逆にしただけ、だからな。
つまりは3乗の展開公式を覚えておけばよくて、3乗の因数分解の公式は覚えなくていいんだ。
ってことで、3乗の因数分解の公式に熱中するのもいいが、それと同時にここまで勉強してきた3乗の展開公式も復習しておこうな。
それじゃあ!
3乗の展開公式を勉強してきたけどさ、圧倒的に覚えづらいよな。
一応、お前らのために「3乗の展開公式の覚え方」考えてみたけど、どうも割に合わねぇってことに気がついたんだ。
そんなくそ覚えづらい3乗の展開公式を丸暗記しなくて済むよう、この公式を証明できるようにしようぜ。
つまりは、なぜこの公式で使えるのかという根本を知るんだ。公式を証明できるようにしておけば、テスト本番で忘れても自分で作れるからな。
それじゃあ、2つの3乗展開公式を1つずつ証明していくぞ。
次の3ステップで証明できるぜ。
$(a+b)^3$を一気に計算するんじゃなくて、細かい掛け算に分解するぞ。
3乗を「1乗× 2乗」の計算にわけて考えるんだな。
2乗の展開公式なら中学数学で死ぬほどを使って身に付いているし、1乗の計算はシンプルな掛け算だからな。
$(a+b)^3$を「1乗× 2乗」にわけると、次のようになるな。
$(a+b)^3$
$=(a+b)(a+b)^2$
で、$(a+b)^2$を2乗の展開公式で計算すると次のようになるな。
$(a+b)^3$
$=(a+b)(a+b)^2$
$=(a+b)(a^2+2ab+b^2)$
お次は分配法則だ。かっこを外すときに死ぬほどお世話になってきた法則だな。
この分配法則でさっきの計算式 $(a+b)(a^2+2ab+b^2)$ を展開しよう。
ポイントは後から前に分配法則を使うことだ。
後ろの$(a^2+2ab+b^2)$ から前の$(a+b)$に分配法則を使ってやるんだ。すると、次のようになる。
$(a+b)(a^2+2ab+b^2)$
$=a(a^2+2ab+b^2)+b(a^2+2ab+b^2)$
で、またまた分配法則で()を外してやるぞ。
$a(a^2+2ab+b^2)+b(a^2+2ab+b^2)$
$=a^3+2a^2b+ab^2+a^2b+2ab^2+b^3$
最後は同類項まとめる作業だ。
同類項とは「文字と文字がかけられている数が同じ項のこと」だったな。同類項を探して、同類項の係数を足し算でまとめればいいんだ。
ここまで変形してきた式に注目してくれ。
$a^3+2a^2b+ab^2+a^2b+2ab^2+b^3$
この式における同類項は、
だな。この同類項たちをまとめると、次のようになる。
$a^3+2a^2b+ab^2+a^2b+2ab^2+b^3$
$=a^3+3a^2b+3ab^2+b^3$
オッケー、こいつは紛れもなく$(a+b)^3 = a^3 + 3a^2b + 3ab^2 + b^3$っていう展開公式の右側だよな。意外にも簡単に証明できたぜ。
証明に使ったのは、
でどれも中学数学で勉強した内容だ。忘れちゃったら復習しといてくれよな。
2つ目の3乗の展開公式も証明していくぞ。大体1つ目の公式と同じ流れだから安心してくれ。
むしろ、2つ目の公式のほうが証明がシンプルでやりやすいぞ。
まずはこの公式の左辺を分配法則で展開してみよう。
$(a+b)(a^2 – ab + b^2)$
1つ目の公式の証明と同じく、後ろから前に分配法則を使うぞ。
$(a+b)(a^2 – ab + b^2)$
$=a(a^2 – ab + b^2)+b(a^2 – ab + b^2)$
そして、かっこをまたまた分配法則ではずすと、次のようになるな。
$a(a^2 – ab + b^2)+b(a^2 – ab + b^2)$
$=a^3 – a^2b + ab^2+a^2b – ab^2 + b^3$
同類項をまとめるぞ。
$a^3 – a^2b + ab^2+a^2b – ab^2 + b^3$ の同類項はこいつらだ。
この同類項をまとめると・・・・、そう、キレイさっぱり2つのグループとも0になる。
だから、
$a^3 – a^2b + ab^2+a^2b – ab^2 + b^3$
$= a^3 + b^3$
になるな。
こいつは紛れもなく2つ目の3乗展開公式 $(a+b)(a^2 – ab + b^2) =a^3+b^3$の右側だ。
ってことで、2つ目の3乗の展開公式の証明も終了だ!
次はこの3乗の展開公式を使って3乗の因数分解に挑戦していこう。
それじゃあな!