中学数学ではいろんな根号を外してきたな。
高校数学では2ステップぐらい上がって、
二重根号
を外していくぜ。
二重根号とは文字通り根号が2重になっているやつだ。
根号の中に根号がある、つまりは、ルートの中にルートがあるんだ。聞いただけでやっかいだろ?
例えば次のやつが二重根号だ。
$$\sqrt{7+2\sqrt{6}}$$
二重根号の外し方の公式
初めて見た時はビビるかもしれえねえが、安心しろ。
ありがたいことに、
二重根号を簡単に外せる公式があるんだ。それは次の2つだ。
$a>0, b>0のとき,$
$ \sqrt{a+b+2\sqrt{ab}}=\sqrt{a}+\sqrt{b}$
$a>b>0のとき,$
$\sqrt{a+b-2\sqrt{ab}}=\sqrt{a}-\sqrt{b}$
$2\sqrt{ab}$の符号がプラスなのかマイナスなのかで2パターン公式があるんだ。
どっちの公式でも使い方は大体一緒だ。
要は、
- たしたら$2\sqrt{}$の中身 になる
- かけたら$2\sqrt{}$の前の数字になる
という条件をみたす2つの数字のセットを見つけりゃいいのさ。
そして、そのセットにそれぞれルートをつけたやつを足すのか、それとも引くのかするわけだ。
それじゃあ具体的な例を解いていこう。
基本パターン
$$\sqrt{7+2\sqrt{6}}$$
まずは最初に見たこいつな。
要は、
- たしたら$7$になる
- かけたら$6$になる
という条件をみたす2つの数字のセットを見つけりゃいいのさ。
そいつは・・・・そう、
- $6$
- $1$
のセットじゃあるまいか?
だって、こいつらたしたら「$7$」だし、かけたら「$6$」だもんな。
ってことで、二重根号の外し方の公式でいう$a$と$b$は、
- $a=6$
- $b=1$
となる。ゆえ、
$$\sqrt{7+2\sqrt{6}}$$
$$=\sqrt{6}+1$$
になるな。
2がない二重根号の外し方
たまに、二重根号の中に「2ルートがない」問題があるんだ。
例えば次のようなものがな。
$$\sqrt{7-4\sqrt{3}}$$
「2ルート」じゃなくて「4ルート」になっている・・・と。
こういう時はな、
2を強引に作って公式で突破していくぞ。
「4ルート」を「2ルート」にすればいいよな。ルートの中身に$2^2$をかけりゃ、「4ルート」を「2ルート」にできる。
$$\sqrt{7-4\sqrt{3}}$$
$$=\sqrt{7-2\sqrt{3×2^2}}$$
$$=\sqrt{7-2\sqrt{12}}$$
この変形が終わったら、あとは公式通り。
- たしたら$7$になる
- かけたら$12$になる
という条件をみたす2つの数字のセットを見つけりゃいいのさ。
そいつは・・・・そう、
- $4$
- $3$
のセットじゃあるまいか?
だって、こいつらたしたら「$7$」だし、かけたら「$12$」だもんな。
でも、この公式はマイナスバージョンであることに注意しようぜ。
マイナスバージョンの公式は
$$a>b>0$$
という条件がある。つまり「 $a$のほうがでかい」んだ。
ってことで、二重根号の外し方の公式でいう$a$と$b$は、
- $a=4$
- $b=3$
ゆえ、
$$\sqrt{7-2\sqrt{12}}$$
$$=\sqrt{4}-\sqrt{3}$$
$$=2-\sqrt{3}$$
になるな。
分数になる問題
でもちょっと次の問題を見てほしい。
$$\sqrt{5+\sqrt{21}}$$
こいつも「2がない二重根号の問題」だ。が、しかし、こいつはちょっと厄介。
ルートの前に何もついてないパターンだ。
この場合、さっきみたいに「2ルート」を強引に作ると、二重根号の中身が分数になっちゃうんだ。
$$\sqrt{5+\sqrt{21}}$$
$$=\sqrt{\frac{5×2+2\sqrt{21}}{2}}$$
$$=\sqrt{\frac{10+2\sqrt{21}}{2}}$$
でもな、安心しろ。
分数があろうがなかろうが、やる事は同じだ。
つまり、
無理矢理、二重根号の中身に「2ルート」の形を作って公式に当てはめるだけだ。
すると次のようになる。
$$\sqrt{5+\sqrt{21}}$$
$$=\sqrt{\frac{5×2+2\sqrt{21}}{2}}$$
$$=\sqrt{\frac{10+2\sqrt{21}}{2}}$$
$$=\frac{\sqrt{10+2\sqrt{21}}}{\sqrt{2}}$$
あとは公式を分子の$\sqrt{10+2\sqrt{21}}$で使えばいいな。
- たしたら$10$になる
- かけたら$21$になる
という条件をみたす2つの数字のセットを見つけりゃいい。
そいつは・・・・そう、
- $7$
- $3$
のセットじゃあるまいか?
ってことで、
$$\sqrt{5+\sqrt{21}}$$
$$=\sqrt{\frac{5×2+2\sqrt{21}}{2}}$$
$$=\sqrt{\frac{10+2\sqrt{21}}{2}}$$
$$=\frac{\sqrt{10+2\sqrt{21}}}{\sqrt{2}}$$
$$=\frac{\sqrt{7}+\sqrt{3}}{\sqrt{2}}$$
$$=\frac{\sqrt{7}+\sqrt{3}}{\sqrt{2}}$$
$$=\frac{\sqrt{2}×(\sqrt{7}+\sqrt{3})}{\sqrt{2}×\sqrt{2}}$$
$$=\frac{\sqrt{14}+\sqrt{6}}{2}$$
オッケー、最後はちょっと厄介だったが、これでゲームクリアだ。
次はこの二重根号の公式がなぜ使えるのか、っていう証明をやっていこう。
証明までマスターしておけば、公式を本番で忘れても大丈夫だからな。
それじゃな!