前回は場合分けしない絶対値記号をふくむ方程式の解き方を勉強してきたな。
じつはな、あれは例外中の例外のラッキーパンチ。
残念ながら、現実はこうだ。
絶対値記号が含まれる方程式を見つけたら、
まず場合分けするもの
と思っておこうな。
本来すべての絶対値記号をふくむ方程は「場合分けが必要」なんだ。
今日はその場合分けバージョンの解き方を勉強していこう。
場合分けありの絶対値をふくむ方程式の解き方の基本
この解き方の基本は次のものだ。
絶対値記号を外して、あとはいつも通りに解く!
絶対値記号の外し方は次のものだったな。
$$a≧0 のとき │a│ = a$$
$$a<0 のとき │a│ = -a$$
つまり絶対値記号の中身が0以上ならそのまま記号を外せる。
中身が0より小さいなら マイナスをつけて絶対値記号を外せるんだ。
この法則を使って方程式に含まれ絶対値記号を外していくぞ。
でもさ、絶対値記号の中身って文字が入ってるよな。
文字は正体不明だから、0より小さいのかでかいのかわかんねぇってことだ。
この正体不明問題に対処するため、絶対値記号の中身が次の2パターン考えねえといけねえ。
- 絶対値の中身が0以上
- 絶対値の中身が0未満
この2パターンで場合分けをして、それぞれの場合で方程式を解いて解を求めていけばいいのさ。
場合分けありの絶対値をふくむ方程式の例題
以上が解き方の基本だ。
今回は次の例題を解いてみよう。
$│x− 3│ = 5x$
場合分けをする
最初にやるべきなのは場合わけな。
- 絶対値の中身が0以上
- 絶対値の中身が0未満
の2パターンで考えていこう。
今回の例題では絶対値記号の中身は、
$$x-3$$
だ。ってことで、場合分けは次のようになる。
- $x-3$が0以上
- $x-3$が0未満
これを不等式で表すとこうなる。
- $x-3≧0$
- $x-3<0$
そして、移項で整理するとこうなる。
- $x≧3$
- $x<3$
それぞれのパターンで絶対値記号を外して方程式を作ってみるぜ。
$x≧3のとき、$
$ x-3 = 5x$
$x<3のとき、$
$-(x-3) = 5x$
それぞれの方程式を解く
2パターンできたらそれぞれの方程式を解いていくぞ。
解き方は中学中学で勉強してきた一次方程式のやり方と同じだ。
つまり、
(文字の項)=(文字以外の項)
となるように方程式を変形して、最後に文字の前の数(係数)で両辺をわりゃいいな。
このやり方で解いてやると次のようにそれぞれ解けるはずだ。
$x-3≧0のとき、$
$ x-3 = 5x$
$ x-5x = 3$
$ -4x = 3$
$ x = -\frac{3}{4}$
$x<3のとき、$
$-(x-3) = 5x$
$-x+3 = 5x$
$-6x = -3$
$x = \frac{1}{2}$
解を吟味する
これでオッケーじゃあねえ〜と平和に行きたいところだが、ちょっと待った。
最後にやらなきゃいけないことがあるんだ。
それは、
解を吟味する
だ。
つまり、得られた解が本当に正しいのかチェックしなきゃいけないんだ。
じゃあ、どうやってチェックするのかって??
それはな、
最初に設定した「場合分けの条件」に解がマッチするか調べるんだ。
具体的に見てみるぞ。
まずは1つ目の解からだ。
$x≧3のとき、$
$ x = -\frac{3}{4}$
こりゃ、正しくねえ。
だって、解の$ -\frac{3}{4}$は$3$より小せえからな。
次、2つ目の解をチェック。
$x<3のとき、$
$x = \frac{1}{2}$
こりゃ、いけるな。
だって、解の$ \frac{1}{2}$は$3$より小せえからさ。
ってことで、この方程式の解は、
$x = \frac{1}{2}$
だけ、ってことになる。
以上が場合分けありの絶対値をふくむ方程式の解き方だ。
めんどくさいかもしれねえが、これも正しい解を得るためならやむを得ないことなんだ。
手間を惜しんでテストで間違えるより1000倍ぐらいマシだよな?
方程式に絶対値記号が入っていて、場合分けなしの例外形じゃなかったら場合わけしてこうな。
それじゃあ!