不等式とは何かわかったところで、いよいよ不等式を解いていくぞ。
高校数学 I で勉強する不等式の1つに、
一次不等式
ってものがある。これはマックスの次数が1の不等式だ。
例えば$x$についての不等式、
$$5x− 1 <9$$
があったとする。$x$がついている項$5x$に注目してみると、$x$が1回しかかけられてないよな。
式$5x− 1 <9$における最大の次数はこいつがマックスで「$1$」ってことになる。
だから、これは一次不等式なんだ。
ここではこの一次不等式の解き方を解説していくぞ。
一次不等式の解き方の3ステップ
一次不等式の解き方は次の3ステップだ。
文字以外の項を移項する
まずは移項から始めよう。
(文字)不等号 (文字以外)
となるよう、一次不等式を変形するんだ。
文字の項が文字以外の項と仲良くしてたら、そいつらを引き離さなきゃいけないんだ。
例えば、不等式の左側で「文字の項」と「数字の項」が一緒になっていたら、そいつはいけねえ。
すかさず数字の項を右側に移項するんだ。
もし、不等式の右側に文字の項がいたら、そいつを左側に持ってくりゃいい。
移項のやり方は方程式と同じだ。
つまり、逆サイドに項を運ぶ時は符号を逆転させればいいんだ。
プラスのやつを逆に運ぶならマイナスをつけるぞ。
なぜ移項が不等式でも使えるのか??
それは、不等式の性質の、
不等式の両辺に同じ数をたしたり引いたりしても、2つの数の大小関係は変わらない
を使っているからなんだ。
例題の
$$-5x− 1 <9$$
に戻るぞ。
左側に
- 文字の項 $-5x$
- 数字の項 $− 1$
が同居しちゃってるよな。これはまずい。
数字の項 $− 1$を右に移項するぞ。
$$-5x− 1 <9$$
$$-5x <9+1$$
$$-5x <10$$
文字の係数で両辺をわる
これで、
(文字)不等号 (文字以外)
という形に変化できた。
次は$x$の前についてる数字($x$の係数)で不等式の両辺をわるんだ。
さっきの例題を見てみる。
$$-5x <10$$
$x$の前についてる数字はどっからどう見ても$-5$だよな?
だから、不等式の両辺を$-5$でわるんだ。
ここでの注意点は割る数の符号な。
割る数がマイナスだったら、不等号を逆にしなきゃいけないんだ。
例題ではなんという偶然か、$x$の前についてるのは負の数だ。
$− 5$で不等式の両辺を割るときは不等号の「$<$」を逆転させて、
$$-5x <10$$
$$-5x÷(-5) >10÷(-5)$$
$$x> − 2$$
となる。
このように、不等式の左サイドを文字1つだけにできたらゴール。これが一次不等式の解なんだ。
かっこがついている一次不等式の解き方
基本的な一次不等式の解き方はマスターしたな。
でもな、たまーに、
かっこががついている一次不等式があるんだ。
例えば次のような問題。
$$2(x− 1) <10x+1$$
かっこがいても動ずることなかれ。
分配法則でかっこを外してから、さっきのステップを踏むんだ。
試しにやってみるぞ。
$$2(x− 1) <10x+6$$
$$2x− 2 < 10x+6$$
$$-8x < 8$$
$$x > -1$$
次は分数を含む一次不等式の解き方に挑戦していこう。
それじゃな!