判別式って便利だよな。
なんせ、二次方程式の係数を代入するだけで、実数解の個数がわかっちまうんだからよ。
でもな、それだけで終わらないのが判別式だ。
なんと、逆に、
二次方程式の実数解の個数からDの値がわかるんだ。
つまり、
- 異なる2つの実数解を持つ二次方程式 → Dは0より大きい
- 1つだけの実数解を持つ二次方程式 → Dは0
- 実数を持たない二次方程式 → D は 0 より小さい
ってわけよ。
この性質を使うと、次のような二次方程式の重解を求める問題を解けるようになるぞ。たとえば、次のような問題な。
ここでは、この重解を求める問題を一緒に解いていこう。
判別式で重解を求める問題の解き方
解き方は次の4ステップだ。
1. 判別式から方程式を作る
まずは判別式を使って方程式をつくるぞ。
この二次方程式の実数解は重解。
ということは、解が1つで判別式は0になるはずだ。
判別式の公式は覚えてるよな?
$$D = b^2-4ac$$
こいつに$a$、$b$、$c$の値を代入していくぞ。
例題の二次方程式、
$$3x^2 + (m+1)x + m -2 = 0$$
の$a$、$b$、$c$の値は次のとおりだ。
- $a = 3$
- $b = m+1$
- $c = m -2$
すると、この判別式は次のようになる。
$$D = b^2-4ac$$
$$= (m+1)^2-4×3×(m-2)$$
$$= (m^2+2m+1)-12×(m-2)$$
$$= m^2+2m+1-12m+24$$
$$= m^2-10m+25$$
で、これが0になるよっつう方程式を作るんだ。
すると、次のような$m$についての二次方程式ができるはずさ。
$$m^2-10m+25 = 0$$
2. 新しくできた二次方程式を解く
新しく誕生した二次方程式を解いていこう。
解き方は中学数学で勉強してきた二次方程式の解き方で問題ないぞ。
頑張って解いてやると、次のようになる。
$$m^2-10m+25 = 0$$
$$(m-5)^2 = 0$$
$$m = 5$$
3. 解を代入する
さっきのステップでえられた解を代入して、もともとの二次方程式を作っていこう。
例題ででてきた「$m = 5$」を元の二次方程式「$3x^2 + (m+1)x + m -2 = 0$」に代入だ。
すると、次の二次方程式ができるはずだ。
$$3x^2 + (m+1)x + m -2 = 0$$
$$3x^2 + (5+1)x + 5 -2 = 0$$
$$3x^2 + 6x + 3 = 0$$
$$x^2 + 2x + 1 = 0$$
4. 新しい二次方程式を解く
そしたら、その新誕生した二次方程式を解くぞ。
もちろん、中学数学で勉強した二次方程式の解き方でオッケーだ。
すると、次のように解けるはずだ。
$$x^2 + 2x + 1 = 0$$
$$(x+1)^2 = 0$$
$$x=-1$$
これが答えな。こいつがお前が欲していた重解ってやつだ。
重荷を一発で求められる公式がある?
ここだけの秘密なんだが、最後のステップ3と4をスキップできる裏技の公式が存在しているんだ。
それは次のような公式だ。
$$重解= -\frac{b}{2a}$$
この公式を使えば、二次方程式の係数の$a$と$b$を代入するだけで重解ゲットさ。
最後に、わざわざ二次方程式をとかなくていいんだ。
えっ、なぜこの公式で使えるのかって?
その理由は解の公式を復習するとわかるぞ。
解の公式は次のようなものだったな。
$$x = \frac{-b±\sqrt{b² – 4ac}}{2a}$$
重解になる、すなわち判別式の「$D=b^2-4ac$」ということは、この解の公式の右上の「$±\sqrt{b² – 4ac}$」のルートの中身が0になる、ってことだよな。
よって、このプラスマイナスルートの部分は0になって消えちまう。
結果、この二次方程式の解はルート部分を考慮しなくなった
$$x = -\frac{b}{2a}$$
になるはずなんだ。
だから、さっき紹介した重解の公式「$重解= -\frac{b}{2a}$」が使えるってわけよ。
この重解の公式を知っていれば、面倒な因数分解がはぶけて楽!
でもな、別に覚えていなくても、大丈夫だ。
重解を求める問題は解けるから安心してくれ。
今回紹介したのは、二次方程式の実数解の個数が1つになる「重解パターン」だった。
安心しろ、重解以外の問題でも解き方は同じだ。
異なる2つの実数解だろうが、はたまた、実数が持たない二次方程式だって同じ方法で解けるんだ。
つまり、
- 判別式から二次方程式を作る
- 二次方程式を解く
- 二次方程式の係数の正体を暴く
- 新しく生まれた二次方程式をといて解を求める
っつうステップを踏めばいいんだな。
うん、おっけー、二次方程式の勉強はこれぐらいにしよう。
次はいよいよお前らが大好きな「二次関数」を深掘りしていくぞ。
それじゃあな!