なぜsinは正弦というのか?名前の由来を半弦からわかりやすく解説
よう、消しゴムの妖精のクマシロだ。メニューは、最後まで見ろよ
人間界の高校数学 I で、いきなり出てくる謎の記号がある。
sin
だ。
読み方は「サイン」。
おらsinのすけ、じゃねえぞ。こいつは、直角三角形の辺の比だ。
高校数学では、
$$\sin A = \frac{対辺}{斜辺}$$
と習う。
つまり、角Aに注目したとき、
向かい側の辺を、斜辺で割ったもの
がsinAだ。
だが、ここで気になることがある。
そもそも、
sinって何の名前なんだ?
という話だ。
さらに、日本語ではsinのことを
正弦(せいげん)
という。
正弦。まるで、翁の名前みたいだよな。
今回は、この「sin」と「正弦」という名前の由来を、できるだけわかりやすく見ていくぞ。
sinは日本語で「正弦(せいげん)」という??
まず、基本から確認しておこう。
sinは、日本語では
正弦(せいげん)
という。
対応はこうだ。
| 記号 | 読み方 | 日本語名 |
|---|---|---|
| sin | サイン | 正弦 |
| cos | コサイン | 余弦 |
| tan | タンジェント | 正接 |
つまり、
$$\sin A$$
は、日本語でいうと
角Aの正弦
という意味になる。
ただし、最初から「角Aの正弦」と言われても、なかなかピンとこねえよな。
まずは、
角Aの正弦 = 対辺 ÷ 斜辺
と考えればいい。

名前の由来は、そのあとでゆっくり見れば大丈夫だ。
正弦の「弦」って何?
正弦の「弦」という漢字に注目してみよう。
弦とは、もともと
円周上の2点を結んだ線分
のことだ。
たとえば、円の中に2つの点をとって、その2点をまっすぐ結ぶ。
この線分が「弦」だ。

ギターの弦みたいに、円の中にピンと張った線をイメージするといいぞ。
昔の三角法は、今のように
$$\sin A = \frac{対辺}{斜辺}$$
という直角三角形の形だけで考えられていたわけではない。
もともとは、円の中にできる
弦
と深く関係していたんだ。
なぜ「半弦」がsinのもとになったのか?
ここがいちばん大事だ。
sinの由来をたどると、
半弦
という考え方にたどりつく。
半弦とは、文字どおり
弦を半分にしたもの
だ。
では、なぜ弦を半分にするのか。
理由はシンプルだ。
弦を半分にすると、直角三角形が出てくるから
だ。

円の中心から、円周上の2点に向かって半径を引く。
そして、その2点を結ぶと、弦ができる。
この弦の真ん中に、円の中心から線を下ろす。
すると、弦は半分に分かれ、直角三角形ができる。
この直角三角形だけを見ると、
- 円の半径 = 斜辺
- 半分にした弦 = 対辺
になる。
つまり、
$$\sin A = \frac{対辺}{斜辺}$$
という式は、昔の円の見方でいうと、
$$\sin A = \frac{半弦}{半径}$$
という形になるわけだ。
sinの先祖は、直角三角形というより、円の中にいたんだな。
半径が1なら、sinは半弦そのものになる
さらに、半径が1の円を考えると、もっとわかりやすい。
半径が1なら、
$$\sin A = \frac{半弦}{1}$$
となる。
つまり、
$$\sin A = 半弦$$
になる。

これが、
sinの由来は半弦である
といわれる理由だ。
今の高校数学では、sinは直角三角形の
$$\frac{対辺}{斜辺}$$
として習う。
でも、歴史をたどると、sinはもともと
円の中の半弦を表す考え方
だったんだ。
sinは召喚獣じゃねえ。もとは円の中の半分の弦だ。
sinという名前はどこから来た?
では、英語の
sine
や、その略である
sin
は、どこから来たのか。
ざっくり流れを書くと、こうだ。
半弦
↓
インド数学の言葉
↓
アラビア語
↓
ラテン語 sinus
↓
英語 sine
↓
省略して sin
昔のインド数学では、半弦を表す言葉が使われていた。
それがアラビア語に写され、さらにラテン語に訳される中で、
sinus
という言葉になった。
このsinusが、英語の
sine
につながる。
そして、sineを短く書いたものが
sin
だ。
sinの旅、長すぎるだろ。インドからアラビア、ラテン語を通って、ようやく高校数学に現れたわけだ。
じゃあ「正弦」という名前はどこから来た?
次に、日本語の
正弦
という名前について見てみよう。
この名前は、日本でゼロから作られたというより、
中国語訳の数学用語が日本に入ってきたもの
と考えるとわかりやすい。
西洋の数学が中国に伝わったとき、sinにあたる言葉として
正弦
という漢字語が使われた。
その言葉が、日本にも入ってきたわけだ。
つまり、sinの考え方はインドや西洋を旅してきた。正弦という名前は、中国語訳経由で日本に来た。ややこしいが、そこが面白いところだな。
正弦の「正」は何を表している?
では、正弦の「正」は何なのか。
これは、単に「正しい弦」という意味ではない。
三角法では、sinにあたるものを「正弦」、cosにあたるものを「余弦」と呼ぶ。
ここでの「余」は、
余角
と関係している。
余角とは、足して90度になる角のことだ。
たとえば、30度の余角は60度。
40度の余角は50度。
cosは、もともと
余角のsin
として考えられる。
つまり、
$$\cos A = \sin(90^\circ – A)$$
という関係がある。
だから、
- sin = 正弦
- cos = 余弦
という名前になっている。
正弦が本家の弦、余弦が「余角側の弦」ってイメージだな。
まとめ:sinは「半弦」から来た
最後にまとめるぞ。
sinは、日本語で
正弦
という。
そして、sinの由来をたどると、
円の中の弦を半分にしたもの
つまり
半弦
にたどりつく。
弦を半分にすると、直角三角形ができる。
その直角三角形では、
- 半弦 = 対辺
- 半径 = 斜辺
になる。
だから、
$$\sin A = \frac{対辺}{斜辺}$$
は、昔の見方では
$$\sin A = \frac{半弦}{半径}$$
だったわけだ。
そして、半径が1なら、
$$\sin A = 半弦$$
になる。
sinは呪文じゃねえ。召喚獣でもねえ。円の中の「半分の弦」から生まれた名前だ。
これで、sinと正弦の名前の由来は終わりだ。
次にsinを見かけたら、ただの謎記号じゃなくて、
円の中の半弦から来たやつ
だと思い出してくれ。
それじゃあな。消しカスは、円の外に捨てとけよ。