3分でわかる!判別式の公式の使い方〜なぜ「D」を使うのか〜

 

クマシロ
クマシロ
よう、消しゴムの妖精のくましろだ。

 

高校数学の二次方程式では、

判別式(はんべつしき)

というツールを使っていくぞ。

 

こいつを使えば、

二次方程式の実数の解(実数解)の個数がわかるんだ。

 

判別式の公式の使い方

とある二次方程式 「$ax^2+bx+c = 0$」があったとしよう。

そいつの判別式の公式は次の通りさ。判別式は英語の大文字「D」で表すぞ。

 

$$D=b^2-4ac$$

 

そんでな、$D$の値を次の3パターンにわけるんだ。

 

  • $D$が0より大きい($D > 0$)
  • $D$が0($D = 0$)
  • $D$が0より小さい($D < 0$)

 

Dがどのパターンに当てはまるかによって、実数解の個数が次の表のようにわかるんだな。

$D$のパターン 実数解の個数
$D > 0$ 2
$D = 0$ 1(重解)
$D < 0$ なし
実数解が1つの時の解を「重解(じゅうかい)」というぜ

 

いまいちしっくりきていないお前のために、次の2次方程式で判別式を使ってみようか。

 

$$2x^2+3x-5 = 0$$

 

この二次方程式では、

  • $a = 2$
  • $b = 3$
  • $c=-5$

だよな?

ってことで、こいつらを判別式の公式「$D=b^2-4ac$」に代入だ。

 

$D=b^2-4ac$

$D=3^2-4×2×(-5)$

$D=9+40$

$D=49$

 

うん、$D$は楽勝で0より大きくなるな!

ってことで、さっきの判別式の表と照らし合わせてみよう。

$D$のパターン 実数解の個数
$D > 0$ 2
$D = 0$ 1(重解)
$D < 0$ なし

つまり、$D > 0$のパターン。

よって、この二次方程式の実数解は

2つ

だ!

 

なぜ判別式が使えるのか?

ここまでで判別式の使い方、わかってきたな。

それじゃあなぜ、判別式が使えるんだろうか??

なぜ「$b^2-4ac$」で二次方程式の実数の解の個数がわかっちまうのか、ちょっと気になるはずだ。

 

その答えは、中学数学で勉強してきた「解の公式」にあるぞ。

解の公式は、

$$x = \frac{-b±\sqrt{b² – 4ac}}{2a}$$

っつう、呪文みたいな公式だったな。

 

この解の公式の右上の「$±\sqrt{b² – 4ac}$」に注目してくれ。

もしかして、プラスマイナスルートの中身が、判別式の公式$D$じゃないかよ!?

判別式 公式 使い方

 

このルートの中身($b² – 4ac$)が0より大きいなら、$±$の符号がついているから、

  • プラス
  • マイナス

で2つの解が存在するはずだ。

 

一方、ルートの中身が0だったら、どうなる??

そう、そもそもルートの部分は存在しない!

だから、二次方程式の解はルート部分を除いた

$$x = -\frac{b}{2a}$$

になるよな。$±$の符号を考えなくていいから、もちろん解は1つさ。

 

で、ルートの中身()のが0より小さかったら・・・・・・

そう、実数ではない解になっちまうな。

なぜなら、ルートの中身が0より小さいなんて実数ではありえねえからな。2乗してマイナスになる数なんて想像できない・・・だろ?

ってことで、$D$が0より小さいときは、実数解の個数は「ゼロ」ってことになる。

 

とまあ、高校数学では「判別式」というかっこいい言葉を使っているが、やっていることはシンプルだ。

中学数学で勉強してきた「解の公式」を思い出せばそのカラクリに気づくだろう。

 

なぜ判別式は「$D$」なのか?

よし、判別式の公式もわかったし、使い方もわかった。

しかも、なぜ判別式を使えるのか、もわかってきた。

 

でもさ、最後にまだまだしっくりこないのが

$D$

じゃないか?

 

なぜ、判別式が「$D$」なのか。

別に、「$F$」でも「$G$」でも「$Z$」でもいいはずだ。

明らかに、日本語の「判別式」とは関係がなさそうだよな。

 

その推察は正しいぞ。

じつは、この判別式の「$D$」は英語で判別式にあたる

Discriminant

から来ているんだ。

ドラえもんの$D$でもないし、ダイビングの$D$でもなかったんだな、残念だけど。

 

えっ、「Discriminant」が覚えられないだって?

そういう時はな、高校英語で勉強する、

discriminate

という動詞を思い出してくれ。

こいつは

識別する

という意味があったよな。

 

だからこの「discriminate」があーしてこうなって派生して、判別式の「Discriminant」に進化した、と思っておけばいいさ。

これで、なぜ判別式が「$D$」を使うのかまでしっくりきたはずだ。

 

クマシロ
クマシロ
次は、bが偶数の時に使える「判別式の4分のDの使い方」を勉強していこう

 

 

それじゃあなぁ!