3乗の展開公式を勉強してきたけどさ、圧倒的に覚えづらいよな。
- $(a+b)^3 = a^3 + 3a^2b + 3ab^2 + b^3$
- $(a+b)(a^2 – ab + b^2) = a^3+b^3$
一応、お前らのために「3乗の展開公式の覚え方」考えてみたけど、どうも割に合わねぇってことに気がついたんだ。
そんなくそ覚えづらい3乗の展開公式を丸暗記しなくて済むよう、この公式を証明できるようにしようぜ。
つまりは、なぜこの公式で使えるのかという根本を知るんだ。公式を証明できるようにしておけば、テスト本番で忘れても自分で作れるからな。
それじゃあ、2つの3乗展開公式を1つずつ証明していくぞ。
1つ目の3乗展開公式 $(a+b)^3 = a^3 + 3a^2b + 3ab^2 + b^3$ の証明
次の3ステップで証明できるぜ。
細かく分解する
$(a+b)^3$を一気に計算するんじゃなくて、細かい掛け算に分解するぞ。
3乗を「1乗× 2乗」の計算にわけて考えるんだな。
2乗の展開公式なら中学数学で死ぬほどを使って身に付いているし、1乗の計算はシンプルな掛け算だからな。
$(a+b)^3$を「1乗× 2乗」にわけると、次のようになるな。
$(a+b)^3$
$=(a+b)(a+b)^2$
で、$(a+b)^2$を2乗の展開公式で計算すると次のようになるな。
$(a+b)^3$
$=(a+b)(a+b)^2$
$=(a+b)(a^2+2ab+b^2)$
分配法則を使う
お次は分配法則だ。かっこを外すときに死ぬほどお世話になってきた法則だな。
この分配法則でさっきの計算式 $(a+b)(a^2+2ab+b^2)$ を展開しよう。
ポイントは後から前に分配法則を使うことだ。
後ろの$(a^2+2ab+b^2)$ から前の$(a+b)$に分配法則を使ってやるんだ。すると、次のようになる。
$(a+b)(a^2+2ab+b^2)$
$=a(a^2+2ab+b^2)+b(a^2+2ab+b^2)$
で、またまた分配法則で()を外してやるぞ。
$a(a^2+2ab+b^2)+b(a^2+2ab+b^2)$
$=a^3+2a^2b+ab^2+a^2b+2ab^2+b^3$
同類項をまとめる
最後は同類項まとめる作業だ。
同類項とは「文字と文字がかけられている数が同じ項のこと」だったな。同類項を探して、同類項の係数を足し算でまとめればいいんだ。
ここまで変形してきた式に注目してくれ。
$a^3+2a^2b+ab^2+a^2b+2ab^2+b^3$
この式における同類項は、
- $2a^2b と a^2b$
- $ab^2 と 2ab^2$
だな。この同類項たちをまとめると、次のようになる。
$a^3+2a^2b+ab^2+a^2b+2ab^2+b^3$
$=a^3+3a^2b+3ab^2+b^3$
オッケー、こいつは紛れもなく$(a+b)^3 = a^3 + 3a^2b + 3ab^2 + b^3$っていう展開公式の右側だよな。意外にも簡単に証明できたぜ。
証明に使ったのは、
- 2乗の展開公式
- 分配法則
- 同類項まとめる方法
でどれも中学数学で勉強した内容だ。忘れちゃったら復習しといてくれよな。
2つ目の3乗展開公式 $(a+b)(a^2 – ab + b^2) =a^3+b^3$の証明
2つ目の3乗の展開公式も証明していくぞ。大体1つ目の公式と同じ流れだから安心してくれ。
むしろ、2つ目の公式のほうが証明がシンプルでやりやすいぞ。
分配法則で展開
まずはこの公式の左辺を分配法則で展開してみよう。
$(a+b)(a^2 – ab + b^2)$
1つ目の公式の証明と同じく、後ろから前に分配法則を使うぞ。
$(a+b)(a^2 – ab + b^2)$
$=a(a^2 – ab + b^2)+b(a^2 – ab + b^2)$
そして、かっこをまたまた分配法則ではずすと、次のようになるな。
$a(a^2 – ab + b^2)+b(a^2 – ab + b^2)$
$=a^3 – a^2b + ab^2+a^2b – ab^2 + b^3$
同類項をまとめる
同類項をまとめるぞ。
$a^3 – a^2b + ab^2+a^2b – ab^2 + b^3$ の同類項はこいつらだ。
- $- a^2b と a^2b$
- $ab^2 と- ab^2$
この同類項をまとめると・・・・、そう、キレイさっぱり2つのグループとも0になる。
だから、
$a^3 – a^2b + ab^2+a^2b – ab^2 + b^3$
$= a^3 + b^3$
になるな。
こいつは紛れもなく2つ目の3乗展開公式 $(a+b)(a^2 – ab + b^2) =a^3+b^3$の右側だ。
ってことで、2つ目の3乗の展開公式の証明も終了だ!
次はこの3乗の展開公式を使って3乗の因数分解に挑戦していこう。
それじゃあな!