3分でスッキリ!二重根号の外し方の公式の証明

 

クマシロ
クマシロ
よう、消しゴムの妖精のくましろだ。血液、めぐらせねえと

 

 二重根号の外し方の公式 って便利だよな。

二重根号の外し方の公式

$a>0,  b>0のとき, $

$\sqrt{a+b+2\sqrt{ab}}=\sqrt{a}+\sqrt{b}$

 

$a>b>0のとき,$

$ \sqrt{a+b-2\sqrt{ab}}=\sqrt{a}-\sqrt{b}$

 

 

 

なんせ、2重のルートを1重にできるんだからな。

使い方もシンプルで、

  • たしたら$2\sqrt{}$の中身 になる
  • かけたら$2\sqrt{}$の前の数字になる

という条件をみたす2つの数字のセットを見つけりゃいい。

 

でもさ、この二重根号の公式って何で使えるんだろうな。

ちょっと話がうますぎやしねえか。

ってことで、ここでは二重根号の公式の証明に挑戦しようぜ。

 

二重根号のプラスの公式の証明

まずは二重根号の外し方の公式のうち、プラスバージョンからだ。

 

プラスの公式

$a>0,  b>0のとき, $

$\sqrt{a+b+2\sqrt{ab}}=\sqrt{a}+\sqrt{b}$

 

中身の2ルートの前が「プラス」になっている場合の公式な。

 

ルートの中身を因数分解

まずはルートの中身($a+b+2\sqrt{ab}$)を因数分解するぞ。

こいつを因数分解すると次のようになる。

$$a+b+2\sqrt{ab}$$

$$=(\sqrt{a})^2+(\sqrt{b})^2+2\sqrt{ab}$$

$$=(\sqrt{a}+\sqrt{b})^2$$

この因数分解では中学数学の「因数分解の平方の公式」を使ってるな。

 

ってことで、二重根号($\sqrt{a+b+2\sqrt{ab}}$)は次のようになる。

$$\sqrt{a+b+2\sqrt{ab}}$$

$$=\sqrt{(\sqrt{a})^2+(\sqrt{b})^2+2\sqrt{ab}}$$

$$=\sqrt{(\sqrt{a}+\sqrt{b})^2}$$

 

ルートを外す

お次はこの前習った「絶対値記号を使った平方根の外し方」を使うぞ。

 

$$\sqrt{a^2}=│a│$$

 

だったよな。

ルートの中身が「何か」の2乗になっていれば、その「何か」に絶対値記号をつけてルートを外せるんだ。

$\sqrt{(\sqrt{a}+\sqrt{b})^2}$の中身は「$\sqrt{a}+\sqrt{b}$」の2乗になってるな。ってことは、

$$\sqrt{(\sqrt{a}+\sqrt{b})^2}$$

$$=│\sqrt{a}+\sqrt{b}│$$

となる。

 

絶対値記号を外す

お次は絶対値記号を外すぞ。

絶対値記号を外す時の法則は次のもんだったな。

 

$$a≧0 のとき │a│ = a$$

$$a<0 のとき │a│ = -a$$

つまり、絶対値記号の中身が0以上なら符号をそのままはずせて、0より小さいなら符号を逆転させて絶対値記号を外すんだ。

 

二重根号を変形したやつを見てみるぞ。

$$│\sqrt{a}+\sqrt{b}│$$

絶対値記号の中身($\sqrt{a}+\sqrt{b}$)は、0より大きくなるよな。なぜなら、$a>0,  b>0のとき,$っていう条件が二重根号のプラスの公式に与えられているからだ。

$a>0,  b>0$なら$\sqrt{a}>0, \sqrt{b}>0$、つまりは$\sqrt{a}+\sqrt{b}>0$。

 

ということは、絶対値記号の中身が0より大きい!

そん時はそのまま絶対値記号外せるんだったよな。

つまり、

$$a>0,  b>0より,$$

$$│\sqrt{a}+\sqrt{b}│$$

$$=\sqrt{a}+\sqrt{b}$$

となる。

これで二重根号のプラスの公式を証明できたぜ。

 

二重根号のマイナスの公式の証明

続いてはマイナスの公式の証明だ。

二重根号のマイナスの公式は次のようなものだったな。

マイナスの公式

$a>b>0のとき,$

$ \sqrt{a+b-2\sqrt{ab}}=\sqrt{a}-\sqrt{b}$

 

これもさっきのプラスの公式と同じ流れだから安心しろ。

 

ルートの中身を因数分解

$$\sqrt{a+b-2\sqrt{ab}}$$

$$=\sqrt{(\sqrt{a})^2+(\sqrt{b})^2-2\sqrt{ab}}$$

$$=\sqrt{(\sqrt{a}-\sqrt{b})^2}$$

 

ルートを外す

$$=\sqrt{(\sqrt{a}-\sqrt{b})^2}$$

$$=│\sqrt{a}-\sqrt{b}│$$

 

絶対値記号を外す

$$a>b>0より, \sqrt{a}-\sqrt{b}>0$$

$$│\sqrt{a}-\sqrt{b}│$$

$$=\sqrt{a}-\sqrt{b}$$

 

うん、証明できたな。

 

ポイントは絶対値記号を外す時だ。二重根号のマイナスの公式を使う前提だった「$a>b>0$」に注目。

$a$が$b$より大きい、ってことは、$\sqrt{a}$の方が$\sqrt{b}$より大きいってことだな。

ってなわけで、絶対値記号の中身「$\sqrt{a}-\sqrt{b}$」は0以上だから、そのまま絶対値記号を外せるんだ。

 

二重根号の証明につかったのは、

だったな。

 

クマシロ
クマシロ
二重根号の証明をきっかけに復習しておくのもありってことよ

 

それじゃあ!