三角比の相互関係の証明 その3|1 + tan²A = 1 / cos²A はなぜ成り立つ?
妖練習 連立方程式 スーパードリル 500
よう、消しゴムの妖精のクマシロだ。今回は、三角比の相互関係の中でも見た目がちょっとごつい公式をやるぞ。
高校数学Iの三角比では、次の公式が出てくる。
$$
1 + \tan^2 A = \frac{1}{\cos^2 A}
$$
この公式を見ると、
「1にtanの2乗を足したら、cosの2乗の逆数になる……?」
と、少しややこしく感じるかもしれない。
しかし、この公式も丸暗記だけで終わらせる必要はない。
実は、
sin²A + cos²A = 1 から作れる式
なのだ。
見た目は強そうだが、正体はそこまで怖くない。前にやった sin²A + cos²A = 1 を変形しただけなんだ。
この記事では、
$$
1 + \tan^2 A = \frac{1}{\cos^2 A}
$$
がなぜ成り立つのかを、三角比の相互関係からわかりやすく解説する。
今日のゴール
今回のゴールは、この公式を証明することだ。
$$
1 + \tan^2 A = \frac{1}{\cos^2 A}
$$
ポイントは1つだけ。
sin²A + cos²A = 1 を cos²A で割る
これだけだ。
新しい公式に見えるが、実は前の公式を割っただけだ。公式同士はちゃんとつながっているぞ。
出発点は sin²A + cos²A = 1
まず、前回の公式を確認しよう。
$$
\sin^2 A + \cos^2 A = 1
$$
これは、三平方の定理から出てくる三角比の相互関係だった。
今回の公式は、この式から作る。
$$
1 + \tan^2 A = \frac{1}{\cos^2 A}
$$
見た目は違うが、出発点は同じだ。
まずは sin²A + cos²A = 1 をスタート地点にする。ここから式を変形していくぞ。
両辺を cos²A で割る
次に、
$$
\sin^2 A + \cos^2 A = 1
$$
の両辺を、
$$
\cos^2 A
$$
で割る。
すると、
$$
\frac{\sin^2 A}{\cos^2 A}
+
\frac{\cos^2 A}{\cos^2 A}
=
\frac{1}{\cos^2 A}
$$
となる。
ここから、左辺を整理していこう。
まず、
$$
\frac{\cos^2 A}{\cos^2 A} = 1
$$
である。
また、
$$
\frac{\sin^2 A}{\cos^2 A}
$$
は、
$$
\left(\frac{\sin A}{\cos A}\right)^2
$$
と同じである。
そして、
$$
\tan A = \frac{\sin A}{\cos A}
$$
なので、
$$
\left(\frac{\sin A}{\cos A}\right)^2 = \tan^2 A
$$
となる。
したがって、
$$
\frac{\sin^2 A}{\cos^2 A}
+
\frac{\cos^2 A}{\cos^2 A}
=
\frac{1}{\cos^2 A}
$$
は、
$$
\tan^2 A + 1 = \frac{1}{\cos^2 A}
$$
となる。
順番を入れ替えると、
$$
1 + \tan^2 A = \frac{1}{\cos^2 A}
$$
証明完了だ。
sin²Aをcos²Aで割るとtan²Aになる。cos²Aをcos²Aで割ると1になる。だから、この形になるんだ。
例題:cosAからtanAを求める
では、実際にこの公式を使ってみよう。
たとえば、次のような問題を解いてみよう。
$$
\cos A = \frac{4}{5}
$$のとき、
$$
\tan A
$$を求めなさい。
公式より、
$$
1 + \tan^2 A = \frac{1}{\cos^2 A}
$$
である。
まず、
$$
\cos A = \frac{4}{5}
$$
なので、
$$
\cos^2 A = \left(\frac{4}{5}\right)^2
$$
$$
\cos^2 A = \frac{16}{25}
$$
したがって、
$$
\frac{1}{\cos^2 A}
=
\frac{1}{\frac{16}{25}}
$$
分数の逆数を考えると、
$$
\frac{1}{\frac{16}{25}}
=
\frac{25}{16}
$$
よって、
$$
1 + \tan^2 A = \frac{25}{16}
$$
となる。
ここから1を移項する。
$$
\tan^2 A = \frac{25}{16} – 1
$$
$$
\tan^2 A = \frac{25}{16} – \frac{16}{16}
$$
$$
\tan^2 A = \frac{9}{16}
$$
したがって、
$$
\tan A = \frac{3}{4}
$$
となる。
※高校数学Iの三角比で、角Aが鋭角の場合は、tanAは正の値として考える。
cosAがわかっているとき、この公式を使えばtanAを出せる。特にcos²Aが出てくる問題で使いやすいぞ。
この公式を使う場面
$$
1 + \tan^2 A = \frac{1}{\cos^2 A}
$$
は、主に次のような場面で使う。
- cosAがわかっていて、tanAを求めたいとき
- tanAがわかっていて、cosAを求めたいとき
- tanとcosを含む式を整理したいとき
- 三角比の相互関係を使って式変形したいとき
特に高校数学では、
tanとcosをつなぐ公式
として使う。
注意:この公式は cosA = 0 のときは使えない
ここで、少しだけ注意しておこう。
今回の証明では、
$$
\sin^2 A + \cos^2 A = 1
$$
の両辺を、
$$
\cos^2 A
$$
で割った。
つまり、
$$
\cos^2 A
$$
が0ではないことが前提になる。
高校数学Iの三角比で、角Aが鋭角の場合は、
$$
\cos A > 0
$$
なので問題ない。
ただし、一般の三角関数まで広げると、
$$
\cos A = 0
$$
になる角では、この式はそのまま使えない。
割り算するときは、0で割っていないかに注意だ。数学ではここ、けっこう大事だぞ。
まとめ
オッケー最後にまとめとこうか。
今回の三角比の相互関係の公式はこれ。
$$
1 + \tan^2 A = \frac{1}{\cos^2 A}
$$
で、こいつの正体は、
sin²A + cos²A = 1 を cos²A で割った式
だったんだな。
三角比の相互関係は、バラバラの公式じゃない。前の公式を変形すると、次の公式が出てくる。ここまで見えると、かなり強いぞ。
それじゃあな。
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