3分でわかる!不等式の性質〜移項もついでにマスター〜

 

クマシロ
クマシロ
よう、消しゴムの妖精のくましろだ。公園に、いきてえ

 

不等式とは

等しくない2つの数の関係を不等号で表した式

だったな。

例えば、

$$x> 1$$

とか

$$x+1 <3$$

が不等式だ。

 

2つの不等式の性質

実はこの不等式には次の2つの性質があるんだ。

 

$$(1)a<bのとき,  a+c < b+c,  a-c<b-c$$

$$(2)a<bのとき,  c > 0 ならば ac < bc, \frac{a}{c}<\frac{b}{c}, c < 0 ならば ac > bc, \frac{a}{c}>\frac{b}{c}, $$

 

それぞれ順番に見ていくぞ。

 

不等式の性質1「両辺に同じ数を足したり引いたりしてもいい」

$$(1)a<bのとき,  a+c < b+c,  a-c<b-c$$

不等式の両辺に同じ数をたしたり引いたりしても、2つの数の大小関係は変わらない、と言っているんだな。

例えば、

$$3 > 1$$

という不等式があったとする。

この両辺に$2$をたしてみるぞ。

$$3+2 > 1+2$$

こいつを計算すると、次のようになる。

$$5 > 3$$

 

両辺に$2$をたしても大小関係は変わらず、左の方が右よりも大きいよな。

今回は足した場合だけど、引いた場合でも同じさ。

 

この不等式の性質を使えば、

不等式でも移項できる

ということになる。

 

移項とは、中学数学の方程式で習ったやつだ。

イコールマークを飛び越えて、逆サイドに項を移動するときに符号を変える技

だったよな。忘れちまったら復習よろしく!

 

 

なぜ 不等式も方程式と同じように移項できるのか。

その理由は、この不等式にはこの1つ目の性質があるからだ。

 

移項したい項を不等式の両辺から引いてやるんだ。

すると、あたかもその数が移項しているように見えるカラクリだ。

例えば、

$$x+1 < y$$

の$1$を右に移項してみる。

そのとき、この$1$を両辺から引いてるんだ。そうすると次のようになる。

$$x+1 < y$$

$$x+1-1 < y-1$$

$$x < y-1$$

$1$が左から右に移動した際、符号が変わってマイナスがついたように見えるな。

このように、方程式と同じように不等式でも移項できるってことも押さえておこう。

 

不等式の性質2「両辺に同じ数をかけたり割ったりしてもいいけど、符号に注意」

$$(2)a<bのとき,  c > 0 ならば ac < bc, \frac{a}{c}<\frac{b}{c}, c < 0 ならば ac > bc, \frac{a}{c}>\frac{b}{c}, $$

次の性質はちょっと厄介だぞ。

これは、不等式の両辺にある数をかけたり割ったりしたときの性質を表している。

そのかける数がプラスかマイナスかによってその性質が異なるんだ。

 

正の数をかけたり両辺にかけたり割ったりした場合、不等式の大小関係は変わらない。

そのまま不等号を維持できるぞ。

例えば、

$$5 > 3$$

という不等式があったとして、そいつの両辺に$2$をかけてみる。

$$5×2 > 3×2$$

$$10 > 6$$

うん、左と右の大小関係わからないよな。

 

次に、負の数をかけたり割ったりしたときの性質を見てみよう。

その場合、不等式の大小関係は維持されず、不等号が逆になるんだ!

例えば、

$$5 > 3$$

に負の数$-2$をかけるぞ。

$$5×(-2) > 3×(-2)$$

$$-10 > -6$$

 

あれ、おいおい!

左の$-10$のほうが右の$-6$よりちいせえじゃねえか!

こりゃあ、不等式の不等号がおかしいから、不等号を逆転させればいいのさ。

$$-10 < -6$$

 

上の検証でわかるように、マイナスの数を不等式の両辺にかけたり割ったりしたら、大小関係を逆転するんだ。

 

クマシロ
クマシロ
2つ目の性質が方程式と不等式の最大の違いであり、

出題者が大好きなトラップなのさ

 

次は不等式の性質を踏まえて、不等式の解について勉強していくぞ。

 

 

それじゃあな!