海陸風(かいりくふう)とは、
「海」と「陸」の間に吹く風の一種。
昼と夜の風向きが違う
という特徴があるね。
昼は「海から陸に」吹いて、

夜は「陸から海に」吹くんだ。

このように風向きが昼と夜で変化する不思議な「海陸風」。
今日はそのメカニズム、仕組みを解説していくよ。
大前提として知っておきたいのが、
水には
温まりにくく、冷めにくい
っていう性質があること。

この性質がゆえに、海陸風が発生するんだ。
海陸風のメカニズムを解剖するため、「昼」と「夜」のケースにわけて考えてみよう。
まず、太陽が出ている昼間だね。
昼間は太陽が出ているから、海・陸ともに太陽光エネルギーによってあたためられることになる。
ただし、海と陸の「温まるスピードの違い」に注意ね。
さっきチラッと触れたけど、海を構成する「水」には、
温まりにくく、冷めにくい
という性質があるから、海は陸と比べると「温まりにくい」。
昼の時間帯は、陸が海よりも温度が高くなるんだね。

このように海と陸で温度差が生じることで、
陸の空気は気圧が低くなる
という現象が起きるよ。
陸の空気の方があたたかいから、空気が膨張して密度が小さくなる。
結果的に、陸の空気は気圧が低くなるんだ。

そして、空気には、
気圧が高いところから低いところへ流れる
という性質があったよね?
だから、海側から陸側に空気は流れ込むのさ。

これが昼間の場合だ。
続いて夜の場合。
太陽が沈んで、陸も海も冷える冷える。
海は陸よりも冷めにくいから、今度は昼間とは逆に、
陸よりも海があたたかくなるんだ。

だから、海の空気のほうが、陸の空気よりも温度が高くなるよ。
それによって、海の空気は膨張して密度が小さくなって、気圧が低くなる。
昼だろうと夜だろうと、空気には
気圧が高いところから低いところへ流れる
という性質があるから、陸側から海側に風が吹くんだ。

これが夜の場合だね。
こんな感じで、海陸風は、
と、昼と夜で風向きが逆になる。
これが海陸風の大まかなメカニズムさ。
なるほど。
海陸風の仕組みはだいたいわかったけど、ちょっと気になるのが、
なぜ水は温まりにくく冷めにくいのだろうか?
ってこと。

この水の性質があるからこそ、海陸風が発生しているからね。
じゃあ、そもそも、
なぜ水は「温まりにくく冷めにくい」のだろう??
ずばり、水には、
比熱容量が大きい
という性質があるからなんだ。
「比熱容量」とは、
単位質量あたり、単位温度を上げるために必要な熱量のこと
で、単位は [ ジュール / kg ・ケルビン(温度の単位)] を使うよ。
つまり、比熱容量は、
温度のあがりにくさ
を表しているんだ。
比熱容量が大きいほど、温度が上がりにくく、逆に小さいと、温度が上がりやすい物質ってわけ。
試しに、水の比熱容量を他の物質と比べてみよう。
例えば、陸を構成している岩石に含まれていそうな鉄の比熱容量。
| 物質の種類 | 比熱容量 [ J / kg ・K ] |
|---|---|
| 水 | 4.18×10³ |
| 鉄 | 0.45×10³ |
なんと、
水の比熱容量は鉄の9.29倍!!
水は鉄の9倍温まりにくいってわけだね。
それではなぜ水の比熱容量が大きいのだろう??
それは、水の分子構造に理由がある。
水の分子構造はH2Oで、酸素分子の下に角度付きで、水素原子が2つぶら下がっているよね。

そして酸素分子はマイナスの電荷、水素原子はプラスの電荷を帯びている。
水全体になった時、水分子が何個も連なるんだ。
マイナスの電荷を帯びている酸素原子側に、プラス電荷の水素原子がくっつくことで、非常に強固な結合になる。

これを「水素結合」と呼んでいるよ。
この非常に強い水素結合は崩れにくく、太陽光からエネルギーを受け取っても、結合が崩れにくい。
だから、水の温度が上がりにくいんだ。つまり、水の比熱容量が大きいってわけ。
こんな感じで海陸風のメカニズムは意外と簡単さ。
ただ、海陸風の元となっている根源を理解することも大切だね。
なぜ水は
温まりにくく、冷めにくい
という性質を持っているのかまで掘り下げると理解が深まるよ。
次は「季節風の仕組み」を勉強していこう。
そんじゃねー
Ken
【参考記事】
天気の用語に
という3つがあるね。
イメージ的に、
すごい風が吹いて、雨も吹き荒れるやばいやつ、ってことはなんとなくわかる。
だけど、こいつらはどう違うんだろうね?
そこで今日はこの3用語の違いを解説してみたよ。
「違い」を見る前に「共通点」をチェックしよう。
で同じなのは、
どれもこれも「熱帯低気圧」
ってこと。
「台風とは何か」で触れたけど、熱帯低気圧とは、
クソあったかい海の上で発生した低気圧のことさ。

具体的にいうと、
赤道に近い熱帯・亜熱帯の海の上
で発生した低気圧のことなんだね。

さて、台風・ハリケーン・サイクロンは何が違うんだろう??
ずばり、次の2つの点で異なっているよ。
まず「生まれる場所」が違うね。
台風・ハリケーン・サイクロンともに、生まれる場所が指定されていて、次のようになっているよ。
| 種類 | 生誕場所 |
|---|---|
| 台風 | 東経180度より西の北西太平洋および南シナ海 |
| ハリケーン | 北大西洋、カリブ海、メキシコ湾および西経180度より東の北東太平洋 |
| サイクロン | ベンガル湾やアラビア海などの北インド洋 |
こう言われてもイメージできないから地図でチェックしてみよう。
台風はここら辺、

ハリケーンはここ、

サイクロンがここら辺だね。

「風の強さ」でも違いがあるよ。
一番大きな風速を表す「最大風速」が、台風・ハリケーン・サイクロンで違うんだ。
次の表を見てみて。
| 種類 | 最大風速 |
|---|---|
| 台風 | 約17 m/s(34ノット) |
| ハリケーン | 約33 m/s(64ノット) |
| サイクロン | 約17 m/s(34ノット) |
風速最大風速でみると、ハリケーンが圧倒的に強い。
台風・サイクロンの約2倍の最大風速約33 m/sだからね。
一方、台風とサイクロは同じ最大風速で約17 m/s になっているよ。
なぜ「約」かというと、風速の単位が「ノット」だから。1ノット = 0.514444 m/a。
という感じで、台風・ハリケーン・サイクロンは
という2点が異なっているね。
ただ、違うのはそれぐらいで、ベースとして「熱帯低気圧」という点は一緒なんだ。
違いに注意してニュースを聞くと、もっと面白くなるかもしれないよ。
そんじゃねー
Ken
【参考記事】
ニュースでよく「台風」を耳にするけど、こいつは一体何なんだろうね?
経験的にはわかってるつもり。
むちゃくちゃ風が強くて、雨もたくさん降って、大きな災害をもたらすもの、と思ってる。
だけど、実際、
どういうものが「台風」という呼ばれるんだろうね?
今日はこの「台風の正体」に迫っていこう。
台風とは、次の3つの条件をすべて満たすもの。
どれか1つでも欠けていたらそれは台風じゃないってことだ。
まず1つ目の条件は、
「熱帯低気圧」の一種である
ってこと。
熱帯低気圧とは、
あったかい海の上で発生する低気圧のことさ。

具体的に「あったかい海の上」ってどこらへんかというと、
赤道に近い海らへん。
専門用語でいうと、
の海のことだね。
ここで発生する低気圧を「熱帯低気圧」と呼ぶんだ。

なぜ、赤道に近いところで発生しやすいかというと、
日照時間が長くて、温度が上昇しやすいから
なんだ。
結果的に、「温められて空気が上昇する」という要因で低気圧が発生しやすいわけ。
空気が上昇すると、密度が小さくなるから低気圧になるのさ。
がしかし、すべての熱帯低気圧が台風ってわけじゃないよ。
実は、
どこで発生するか?
という誕生場所も大事なんだ。
熱帯低気圧のうち、
北西太平洋
もしくは
南シナ海
で発生した熱帯低気圧ではないと「台風」ではないんだ。
「北西太平洋」または「南シナ海」と言われてもピンとこないと思うから、地図でみてみよう。
「北西太平洋」とは赤道より上、東経180度より左の太平洋のこと。

「南シナ海」とは、中国(シナ)の南にある海のこと。
地図で表わすとここらへん↓

ってことで、「北西太平洋」または「南シナ海」は地図でいうとここら辺↓

ここで発生した熱帯低気圧じゃないと「台風」ではないんだ。
最後のポイントは「風速」だ。
「最大風速が毎秒17 m以上のもの」ではないと台風ではないよ。

つまり、
1秒間17 m 進む風を出せない熱帯低気圧は台風じゃない
ってことになる。
100 mを5.88秒で動く速さってことだから、まあ、ウサイン・ボルトより速いよね。
どうりで台風が上陸すると風が強くなるわけだ。
以上が台風の条件だよ。
1つでも欠けたら、それは台風じゃないってことになる。
例えば、太平洋の東で発生してもアウトだし、最大風速が毎秒10mでもアウト。
次は「ハリケーン・サイクロン・台風の違い」を解説していくよ。
そんじゃねー
Ken
【参考記事】
こんにちは!この記事を書いているKenだよ。年金、だね。
中学理科で「電気の分野」を勉強していると、
とか、できれば関わりたくない用語が出てくるよね。
実は僕自身、めんどくさいからスキップしてたんだ。
だって、こんなの絶対やっかいじゃん?
しかし、熱烈な読者から「陰極線を解説してほしい」という要望があったのでまとめてみたよ。
「陰極線」とか「真空放電」とか勉強する前に、
「放電」とは何かを復習しよう。
静電気で見たけど、放電とはズバリ、
何もない空間に電気が流れること
だ。
回路がないのに電気が流れるなんて超不思議。
放電の身近な例は「雷」。

雲と地面の間には空気しかないよね?
でも、ある一定の条件を満たすと「雲」にたまっていたマイナス電気が地面に移動するんだ。
これが雷の正体で、雷は一種の放電現象だ。
じつはこの「放電」は、
「空気がない状態」で起こりやすいんだ。
例えば、左にマイナス電極、右にプラス電極があったとしよう。
その中央に「何もない空間」がある。

この時、真ん中の空間を「空気がない状態」、つまり「真空状態」にしてあげると、放電が一番起こりやすいんだ。

だから、放電の実験をする時は電極の間に「真空状態」を作り出すわけさ。
こんな感じで、
わざと真空状態を作って放電を起こりやすくした管のこと
を「真空放電管」と呼んでいるよ。

なぜ真空状態だと放電が起きやすいのか??
それは、空気が「絶縁体」で電気が通るのを邪魔しちゃうからだね。
真空状態で空気を0にすると、邪魔者がいなくなるから電気が通りやすくなるわけだ。
「電気の流れ」には向きがあるんだろうか??
これを確かめるために放電状態を作って、

プラス電極の前に「十字架」を置いてみた。

すると、プラス電極の前に十字架の影ができちゃった。

ということはだよ?
放電による電気の流れは
マイナスからプラスへの向きがある
ってことになるね。

もし、逆にプラスからマイナスだったら、マイナスの電極側に影ができるはずだからさ。
それじゃあ一体何が流れているんだろう??
その正体を確かめるために、マイナスとプラスの電極の間に「蛍光板」を入れてみる。

すると、
色がついた「電気の流れ」が見えてきたんだ。
蛍光板が電極の間で筋状に光っているのね。

さらに、真空放電管の上下に「プラスとマイナスの電極」をつけてみた。

上にプラス、下にマイナスの電極さ。
すると、電気の流れは上側の「プラス電極」に引き寄せられるように曲がっちまった。

つまり、プラスに引き寄せられて、マイナスとはしりぞけ合っていることになるね。
したがって、この「電気の流れ」の正体は
マイナスの電気を帯びているもの
と予測できるんだ。
なぜなら、「電気の力」には、
同じ符号の電気はしりぞけあって、違う符号の電気は引き合う
という性質があるからだね。
このように真空放電管の実験を通して、
とわかったんだ。
ただ、「真空放電管を流れているもの」をなんて呼べばいいんだろうね??
1876年に「オイゲン・ゴルトシュタイン」って人がこれを「陰極線(Kathodenstrahlen)」と名付けた。
マイナス(陰)の電極の性質を持った線
とすれば覚えやすいかな。

そして、陰極線の発見から21年後の1897年。
イギリスのトムソンって人が、
陰極線は「マイナスの電気を帯びた小さな粒の流れである」
と発見したんだ。
この「マイナスの電気を帯びた小さな粒」がのちに「電子」と呼ばれることになって、その「電子」の流れが「電流の正体」だったんだ。

ということで、「真空放電」とか「陰極線」とか難しい用語が出てくるけど、
「電流の正体を発見した経緯」を知るために重要な用語だよ。
ぜひテスト前にも復習してみてね。
そんじゃねー
Ken
【参考記事】
こんにちは!この記事を書いているKenだよ。かりんとう、欲しいね。
よく天気のニュースで
温帯低気圧
っていう言葉を聞くよね。
コイツは、
(中緯度で発生する)前線つきの低気圧のこと
なんだ。

低気圧の下に前線が鼻毛のようにくっついてるやつが「温帯低気圧」ってわけ。
じゃあ温帯低気圧が発生する「中緯度」はどこら辺なんだろうね?
ズバリそいつは「北緯・南緯30~65度のエリアのこと」を指すから日本で発生する「前線つきの低気圧」も温帯低気圧ってことだね。
日本だと、南東に「温暖前線」、南西に「寒冷前線」がくっついる温帯低気圧が多いよ。

前線の種類がしっくりきてない・・・!
っていうときは「前線の種類」の記事を読んでみてね。
温帯低気圧が発生したとしよう。
まずは日本列島を西から東へと移動していく。

しかも、前線が日に日に長くなっていくおまけつき。

そして、寒冷前線は温暖前線よりスピードが早いから、温暖前線に追いついてしまう事態が起きる。

そのため、温帯低気圧についている前線は閉塞前線になってしまう部分も出てきたりするんだ。

閉塞前線になってしまうと、結局全部冷たい空気になってしまうから、上昇気流が発生しにくく雲ができにくい。
よって、閉塞前線ができた地域では、天気は雨になりにくくなるんだね。
とりあえず、温帯低気圧で知っておきたいことは以上。
温帯低気圧とは何かを抑えたら、
温帯低気圧はどうやって一生を終えるのか?
まで抑えておこう。
そんじゃねー
Ken
こんにちは!この記事を書いているKenだよ。ツナパン、チョイスしたよ。
前回、中学理科出てくる「前線」を勉強してきたね?
じつは、中学理科では次の4種類の前線が出てくるんだ↓
それぞれどんな前線なのかみていこう。
まず1つ目の種類は寒冷前線だね。
あきらかに寒そうな前線だけど、いったいどんなやつなんだろうね?
ズバリ言ってしまうと、
「冷たい空気」が「暖かい空気」に潜り込んでできる前線だ。

記号はこいつを使うよ↓

三角形がある側に「暖かい空気」、その逆側に「冷たい空気」があるって覚えておこう。

今度はさっきと逆パターン。
「暖かい空気」が「冷たい空気」に這い上がってできる前線のことだね。

記号はまな板に「かまぼこ」を乗っけたような形で、

かまぼこ側に冷たい空気があるよ。

次は閉塞前線だ。
寒冷前線が温暖前線に追いついてできた前線のこと。

寒冷前線の方が速いから、温暖前線に追いついちゃうんだね。
この閉塞前線は次のような記号を使って表すよ。

ただ、閉塞前線には、
の2種類ある。
これらの違いは何かっていうと、
どっちの前線の空気が潜り込むか?によって決まるんだ。
寒冷前線の冷気が潜り込んだ場合、寒冷型。

逆に、温暖前線の冷気が潜った場合は「温暖型の閉塞前線」になるのね。

最後は停滞前線。
「冷たい空気」と「暖かい空気」がぶつかり合って両者が互角で、動かない時にできる前線のことだよ。

停滞前線の断面図を見てみるとこんな感じ↓

冷たい空気は潜り込もうとしてるけど、あったかい空気も負けじと押し返しちゃってるんだ。
境界面が地面と接するところが停滞前線になるわけだ。
停滞前線の記号はこれだよ〜↓

停滞前線ができるのは季節の変わり目。
日本でいうと、6月の梅雨、さらに9月の秋雨シーズンだね。
停滞前線付近では雲ができやすく、しかも前線が動きにくい。
長期間、雨が降ってしまうんだ。

よし、これで前線の種類もマスターしたね。
次は「温帯低気圧とは何か」を勉強していこう。
そんじゃねー
Ken
こんにちは!この記事を書いているKenだよ。深夜に、起きたね。
前回は「高気圧・低気圧」を勉強してきたけど、今日はもう一歩踏み込んで
前線とは何か??
を勉強していこう
まず理解しておきたいのが
気団(きだん)
という用語。
気団とはズバリ、
同じ気温や湿度をもった空気の塊のこと
なんだ。

ある空気が大陸や海の上にとどまっていると、同じ温度や湿度の空気になりやすいよ。
例えば、あつい大陸の上にいくつかの空気が集まってきたとする。

しばらくいると、大陸の高い気温に影響されて、上の空気と同じ気温の空気の塊(気団)になったりするんだ。

そして、いよいよ前線。
天気の世界では、
気温や湿度の違う気団同士が衝突する
という事件が起きるよ。
例えば、 性質の異なる気団A と 気団B が衝突したとしよう。

この時、2つの気団はすぐに交わらず、
境目ができる。

2つの気団の境界面のことを「前線面」、前線面が地面と交わる部分を「前線」と呼んでいるんだ。

そして、
前線付近では雲ができやすい
という特徴があるよ。
例えば、「冷たい空気」と「暖かい空気」がぶつかったとしよう。

冷たい空気の方が、粒子の運動量が小さく、体積に小さいから密度が大きい。
対して、あったかい空気は粒子の運動量が増えて、体積が大きくなるから密度は小さくなる。

2つの空気の塊が衝突したら、冷たい空気が潜り込むんだね。

なぜなら、冷たい空気の方が、密度が大きいからだ。
性質の異なる空気の塊がぶつかると、こんな感じで前線ができるはずだ。

このとき、あったかい空気は冷たい空気に押し上げられてしまうよ。

雲のでき方で見てきたように、空気は上昇すると断熱膨張が起きて、上昇した空気が冷えてしまうんだ。
結果的に、飽和水蒸気量が下がって水蒸気でいられなくなった水分が水滴として出てきてしまうことになる。
それが雲になるわけね。

次は「前線の種類」を勉強していこう。
そんじゃねー
Ken
こんにちは!この記事を書いているKenだよ。銭湯へ、走ったね。
天気の単元で習う言葉に、
ってやつがある。
こいつらは、大人になってからもくそ頻繁に耳にする言葉だから、ぜひとも押さえておきたいね。
今日は「高気圧・低気圧」の正体を暴いていこう。
まず復習しておきたいのが、
気圧
ってやつだ。
中学1年生の理科の「大気圧」で勉強してきたけど、
空気中にある物体に働く圧力のこと
だね。
「気圧」は、物体の上にある「空気の重さ」によって生じるから、低い場所には空気がいっぱいあるから気圧が高い。
逆に、高いところは上の空気量が少なくなるから、気圧が低くなるわけだね。

詳しくは「大気圧とはいったい何者?」で復習してみてね。
それじゃあ、メインディッシュの「高気圧・低気圧」を見ていこう。
前回、等圧線の記事で
気圧が等しい地点を結ぶと等圧線になる
って勉強してきたよね。

実はこの等圧線は、閉じた曲線にもなるんだ。
こんな感じで、くるっと輪っかみたいに等圧線がかかれることがある。

このように「閉じた曲線になった等圧線に囲まれたやつ」のうち、
周辺よりも気圧が高いやつを「高気圧」、逆に、周辺より気圧が低いやつを「低気圧」と呼んでいるんだ。

つまり、高気圧・低気圧といっても、
具体的にどれくらいの気圧だったら高気圧、低気圧になるのかという数値の基準がない
というわけ。
あくまでも、
周辺と比べて高いのか?低いのか?
という相対的なものでしかないのさ。
だいたい高気圧と低気圧の正体がわかってきたね。
あと押さえておきたいのが、
高気圧・低気圧ではどんな風が吹いているのか?
だね。
前の等圧線の記事で、
風は気圧が高いところから低いところに空気が流れる現象
って勉強したきた。

この風の性質を踏まえると、
高気圧は周りよりも気圧が高いから、高気圧を中心に外側に風が出て行くはず。

逆に低気圧の場合、周囲から空気が流れ込んでくるはずだ。

がしかしだよ?
日本付近でできる高気圧と低気圧は、まっすぐに風が吹いているわけではなく、右方向にゴールがずれてしまっているんだ。

高気圧と低気圧の風は、日本付近ではこんな感じの風の向きで吹いてるよ↓
なぜ風の向きは曲がってしまっているのか?
実はこれは、
コリオリの力が原因。

コリオリの力とは、地球が自転して生じている見かけの力のこと。
地球はご存知の通り、西から東に回転している(自転)よね?

実はこの回転によって、
地球にいる人からみると、本来まっすぐ移動するはずのものが右にそれているように見えるんだ。

だから、高気圧・低気圧周辺の風も右にそれているように見えるってわけ。
これはあくまでも北半球での話。南半球に働くコリオリの力は、北半球と逆の「左に目的地がそれる」という向きに働く。
北半球と南半球では、高気圧と低気圧の風向きが反対になることに注意してね。
後はこの風の向きの覚え方だね。
おすすめなのは、
と順を追って風向きを考えることかな。
たとえば、高気圧からまっすぐ風を出してみる。

そして、本来真っ直ぐ到達するはずの風が、北半球エリアの場合、右にゴール地点がずれる。

そして、スタート地点に近い中間地点もずらしてみよう。ポイントは、
コリオリの力はスタートに近いほど弱いということ。
だから、ゴールのズレよりも小さくなるはずだ。

そして、それをスタート地点から滑らかに結んであげるんだ。

これで高気圧の風の向きがかけるはずだよ。

こんな感じで、
なぜ高気圧・低気圧の風の向きは曲がるのか?
まで理解しておけば万々歳。」
ぜひやってみてね。
そんじゃねー
Ken
こんにちは!この記事を書いているKenだよ。ドラえもん、出てきたね。
「天気の単元」で重要になってくるのが、
等圧線
というツールだ。
等圧線とは、
(同じ時間に観測した)気圧が等しい地点を滑らかに結んだもの
だよ。
例えば、 A ・ B・C 地点 という3つの観測地点があったとしよう。

このとき、正午12時に観測した気圧がぜーんぶ1020 hPa だったら、A・B・Cを滑らかに結べばいいんだ。

この線が「等圧線」だ。
等圧線の間隔には、
っていうルールがあるよ。

例えば、990 hPa から1030hPaまで等圧線をかくとこんな感じになるね↓

ポイントはやはり、
かな。
ルールに従って等圧線を書いてあげれば大丈夫。
あともう一つ、等圧線で押さえておきたいのは、
等圧線と風の関係。
実は「風」というものは、
気圧の高いところから低いところに空気が流れる現象のこと
なんだ。

だから、等圧線の気圧が高いところから、低いところに向かって風が吹くことになる。

そして、「風の強さ」も等圧線からわかるよ。
ズバリ、
等圧線の間隔が狭いほど強い風が吹くんだ。

逆に、等圧線の間隔がゆるければ風が弱くなるね。

この等圧線と風の強さの関係は、
山の斜面にボールを置いたシチュエーション
を想像するとイメージしやすいかな。

山の上にボールを置いたら転がると思うんだけど、急な斜面の方がボールのスピードが速くなるよね。
これと同じで、気圧の場合も
「気圧がどれくらい変化したのか?」という変化量が大きいほど、風が強くなるんだ。
次は「高気圧・低気圧」について勉強していこう。
そんじゃねー
Ken
こんにちは!この記事を書いているKenだよ。とろろ、追加したね。
天気の単元で、よくテストに出てくるのが、
雲のでき方
だ。
空に浮かんでいる雲たちはどうやってできているんだろう??
今日は暇だったからイラストで説明してみたよ。
物語の主人公は「水蒸気を含んでいる空気」だ。

水蒸気は目に見えず、空気に溶け込んじまっている。

だから、外見は普通の空気ってわけ。
まあ、空気も目に見えないんだけど。
で、その空気がさ、なんらかのきっかけで上昇しちゃうんだ。

空気もさ、
「上がってるよ!上がってる!」
ってびっくりしてるだろうね。
空気が上昇するきっかけは次の3つ。
ちょっと補足しておこう。
1つ目の山の斜面にぶつかった場合はなんかわかるよね。すーっと山の斜面を空気が滑ってるイメージ。

2つ目の「温められると上昇してしまう」のは空気の分子の動きが大きくなって、空気が膨張して密度が軽くなるからね。

3つ目の「暖かい空気が冷たい空気の上に登ってしまう」は暖かい空気の方が密度は小さいから、冷たい空気の上に登ってしまうって話だよ。

上昇してしまった水蒸気を含む空気は、今度は膨張してしまうんだ。

上に行けば行くほど、気圧が低い。
なぜなら、気圧は空気の重さで生じていて、上に行くほど空気の量が少なくなるからだね。
すると、上がってきた「元地上にいた空気」は膨張しちゃう。

なぜなら、周りの空気より気圧が高いからね。
空気が上昇して膨張しちゃうと、今度は空気の温度が低くなる。

これは熱の出入りがない状態で膨張する「断熱膨張」という現象だね。
なぜ、膨張すると温度が下がっちゃうんだろう??
実はこれは空気1m³あたりに含まれる熱量が小さくなっちゃうからなんだ。
石油ストーブで暖めたリビングルームを想像してみて。
ストーブの強さを変えずに、リビングを大きくしてしまったらどうなるかな??
そう、そうだよ。
ストーブの熱は変わらないから、新しくできたスペースをあっためるために熱がとられちゃうんだ。
結果的に、部屋全体の温度は下がってしまうってわけ。
これと同じことが膨張した空気に起こっているんだ。
前回、「凝結・露点」の記事で、
温度が下がると飽和水蒸気量が小さくなる
って勉強してきたよね。
空気の温度が下がると、飽和水蒸気量が小さくなって、水蒸気が水滴になって出てきてしまうことがある。
この現象を「凝結」と呼んでいたね。
実はこの「凝結」は上昇した空気でも起きているんだ。
空気が上昇して、冷えて、飽和水蒸気量が小さくなって、

水蒸気の一部が水滴としてできてしまうんだ。

水蒸気から水滴が出てしまったんだけど、水滴は軽い。
軽いから空に浮かんじゃうんだ。

地面に落ちてこないでふわふわと空を漂っていることになる。
これが雲の正体だね。

遠くからだと白く見えるけど、近くからだと、ただの水滴だから霧のように見えるはず。
だから、ドラえもんの映画「のび太と雲の王国」みたいに雲に乗れないのね。
できれば雲に乗りたかったんだけどね。
水滴はただ浮かんでいるだけじゃなくて、
大きくなって成長するんだ。
違う水滴と合体したり、

空気の温度が下がって、水滴になる量が増えたりする。

そして、大きくなりすぎた水滴はついに落下。

この「地上に降りてた水滴」が雨の正体。
雪の場合は、水滴が氷になったものが、そのまま地上に降りてきてしまったものだ。
以上が雲のでき方と雨、雪の正体だったね。
あと、雨や雪と似たような現象があって、それは、
霧(きり)
だね。
実は「霧」は「雲」に似ていて、
「空気が上昇する」を省いたバージョンだよ。
空気が上昇せずに、地表付近で冷やされた結果、飽和水蒸気量が小さくなって、水蒸気が水滴になるんだ。

という感じで、雲のでき方のフェーズを順番ごとに追っていけば難しいことはないね。
テストにも出てきやすいし、日常でも目にする現象だからよーく復習しておこう。
そんじゃねー
Ken
天気の単元で重要になってくるのが、
飽和水蒸気量(ほうわすいじょうきりょう)
だ。
シンプルにいってしまうと、
1m³の空気が含むことができる水蒸気の重さ
のこと。

中1理科で「水に溶けることができる物質の限界量のこと」を「溶解度」って習ったよね?
じつは、空気にも水蒸気を含むことができる限界があるってわけだね。
実はこの飽和水蒸気量というやつは、
温度によって変化するよ。

具体的に言うと、次のように変化するんだ(Wikipediaより)。
気温(℃) 飽和水蒸気量(g/m3) 50 82.8 40 51.1 35 39.6 30 30.3 25 23.0 20 17.2 15 12.8 10 9.39 5 6.79 0 4.85 -5 3.24 -10 2.14 -20 0.882 -30 0.338 -40 0.119 -50 0.0381
この表を見るとわかるけど、
温度が低ければ飽和水蒸気量が小さくなる。
逆に、温度が高ければ飽和水蒸気量も大きくなるよ。

例えば、30° の空気は 1m³ 中 30.3 gの水蒸気を含むことができる。
一方、10° の空気なら 9.39 g しか水蒸気を含めないんだ。
ここで疑問に思ってくるのが、
なぜ温度が高くなると飽和水蒸気量も大きくなるのか?
ってことだよね。
「めんどくさいから温度が変わっても同じでいいじゃん!」
と思っちゃうもんね。
実はこの現象は、
空気の分子の動きを考えるとわかりやすいよ。

温度が上昇すると、空気を構成している小さな粒子(分子)の動きが活発になるんだ。

分子の動き自体が大きくなるから、当然、空気が大きくなる。
だから、水蒸気を多く含めるようになるってわけ。

逆に、温度が下がると空気の分子の動きも小さくなっちゃう。
水蒸気を含むことができるスペースの余裕がなくなっちまうんだね。
飽和水蒸気量がしっくりきたら、湿度を計算してみよう!
そんじゃねー
Ken
前回は「飽和水蒸気量」を勉強してきたけど、そのほかにも天気の単元で重要なキーワードがあるよ。
それは、
の2つ。
前回、
飽和水蒸気量とは温度によって変化する
って勉強してきたよね?
温度が下がると飽和水蒸気量が小さくなって、温度が上がると飽和水蒸気量が大きくなるって話だったはず。

この性質を踏まえると、空気を冷やしたら
含んでいる水蒸気の重さが飽和水蒸気をオーバーする
っていう事態が起きると思うんだ。

このとき、飽和水蒸気量を超えた水蒸気たちは水蒸気として存在できず、
水滴として出てきてしまうよ。

このように、
「空気を冷やして水蒸気が水滴になって出てきちゃう現象」のことを
凝結(ぎょうけつ)
と呼んでいるよ。
そして、凝結が始まる温度のことを
露点(ろてん)
と呼んでいるんだ。
例えば、25℃の水蒸気を冷やして15℃で湿度100%になり、空気中の水蒸気が水滴になって出てきちゃったとしよう。
この時、水蒸気が水滴に変わり始めた「15℃」を「露点」と呼んでいるんだね。

テスト前によーく復習しておこう!
そんじゃねー
Ken