前回、判別式の使い方を勉強してきたよな。
判別式は次の公式だったことを思い出してくれ。
$$D=b^2-4ac$$
こいつはベーシックなノーマルタイプ。
どんな二次方程式にも使える判別式なんだ。
だがな、世の中には便利なものがあって、
$\frac{D}{4}$
という判別式も存在しているんだ。
これは二次方程式程「$ax^2+bx+c = 0$」の「$b$」が「偶数」の時に使える特殊な公式さ。
$b= 2 b’$とすると、
$$\frac{D}{4}=b’^2-ac$$
で表せるんだ。
もし、二次方程式の$b$が偶数だったら、その$b$を半分にしたやつ($b’$)を2乗。
そこから$a$と$c$をかけたものを引けばいい、ってことだな。
判別式 4分のD の公式の使い方
例えば、次の二次方程式があったとする。
$$3x^2+6x+7 = 0$$
ありがたいことに、偶然、$b$は偶数の$6$だよな。
だから、4分のDの判別式を使うと計算が楽になる。早速使ってみよう。
この場合、$aとb’とc$は次のようになるな。
- $a=3$
- $b’ = 3$
- $c=7$
$\frac{D}{4}$という判別式は、次のように計算できる。
$\frac{D}{4} = b’^2-ac$
$=3^2-3×7$
$=9-21$
$=-12$
$\frac{D}{4}$は0より小せえ!
だから、この二次方程式は実数解を持たない、ってわけな。
別に、$\frac{D}{4}$じゃなくて$D$でもいいんだが、$ac$の前の係数 4がなくなって計算がちっと楽になるってことよ。
なぜ判別式の4分のDが使えるのか?
でも、なんで$b$が偶数の時の判別式$\frac{D}{4}$が便利なんだろうな?
その理由は、中学数学で勉強してきた「解の公式の偶数バージョン」を思い出せばわかるぞ。
$b$が偶数の時は、次のような解の公式を使えるんだったな。
$$x=\frac{-b’\pm\sqrt{b’^2-ac}}{a}$$
この式の右上に注目だ。
そう、ルートの中身が
$$b’^2-ac$$
で、こいつはまさしく正真正銘のさっき出てきた$\frac{D}{4}$ではあるまいか。
つまり、この右上のプラスマイナスルートの中身の「$b’^2-ac$」が正の数だったら、プラスマイナスの符号がついてるから、2つの実数解が誕生する。
一方、プラスマイナスルートの中身が$0$ならば、厄介なルート部分が消えて解は1つになる。
ルートの中身がマイナスになるなら「実数解じゃない解」しか得られないことになる。
こんな感じで、4分のDでも同じように、bが偶数の場合は実数解の個数を判別できる、ってわけよ。
そしてこの「$b’^2-ac$」というやつは、$D$を4分の1にしたものになってるな。
$b’= \frac{b}{2}$を「$b’^2-ac$」に代入してみるぞ。
すると、次の式になる。
$b’^2-ac$
$=(\frac{b}{2})^2-ac$
$=\frac{b^2}{4}-ac$
$=\frac{b^2-4ac}{4}$
この「$b’^2-ac$」の正体は「Dを4分の1したやつ」だったんだな。
こんな感じで、中学数学で勉強してきた解の公式偶数バージョンを思い出せば、判別式の$\frac{D}{4}$のその生まれの理由もわかるはずだ。
判別式の4分のDは覚える必要ある?
ここまで判別式4分のDの使い方を紹介してきた。
どうだ?
覚える気になったか??
覚える公式が1つ増えた・・・・なんて思っていないか。
確かにな、でも安心しろ。
この判別式$\frac{D}{4}$を覚えるのはマストではない。
「あれば便利で使えるもの」と思っておこう。
あったら便利だけど、なくても生きていける。
例えるなら、雨の日に活躍する長靴だな。
雨の日に長靴を履けば、靴の内部が濡れなくてハッピー。
でも、その一方で長靴がなくても大丈夫だよな。
普通の靴でも雨の中歩行して生きていけるだろ? それと同じだ。
判別式の4分のDがしっくり来たな?
それじゃあなぁ!