二次関数$y=ax^2+bx +c$ってさ、 いろんな形してるよな。
こんなんだって、
あんなのだってあるだろうし。
じつは、この二次関数のグラフの形は、
$a$の大きさによって変化するんだ。
$a$が大きければを狭い開き具合になるし、
逆に小さければ、緩やかな開き具合になるってことよ。
ということは、$a$が同じ二次関数ならば、生えてる場所が同じだけで放物線の形は一緒。
ということは、ということは。
$a$が同じ二次関数ならば、片方の二次関数を平行移動させれば、もう1つの二次関数に重ねて一致させられるわけだ。
どうだ?
やってみたくなっただろう?
この好奇心を先読みしてたんだろうな、きっと。
高校数学では、
二次関数を平行移動させて重ねる・一致させる問題がよく出てくるんだ。
たとえば、次の問題な。
今日はこの問題の解き方を勉強していこう。
二次関数を平行移動させて重ねて一致させる問題の解き方
この手の問題の解き方が次の3ステップだ。さっきの例題を一緒に解いていくぞ。
それぞれの二次関数を平方完成
まずはお馴染みとなった動作からだな。
2つの二次関数をそれぞれ平方完成させて頂点を求めよう。
二次関数の軸・頂点を求める公式を覚えているやつは、このステップをスキップしてもいい。
公式を忘れた、もしくは、平方完成力に自信があるやつは、このステップからやっていこう。
さっきの例題で、2つの二次関数をそれぞれ平方完成させるぞ。
$y=3x^2+5x+7$
$y=3(x^2+\frac{5}{3}x)+7$
$y=3\{(x+\frac{5}{6})^2-\frac{5^2}{6^2}\}+7$
$y=3(x+\frac{5}{6})^2-\frac{25}{12}+7$
$y=3(x+\frac{5}{6})^2-\frac{59}{12}$
$y=3x^2-11x$
$y=3x^2-11x$
$y=3(x^2-\frac{11}{3})x$
$y=3\{(x-\frac{11}{6})^2-\frac{11^2}{6^2}\}$
$y=3(x-\frac{11}{6})^2-\frac{121}{12}$
頂点を求める
平方完成は無事に通過したな?
次はこの形から二次関数の頂点を求めていくぞ。
二次関数の基本形「$y=a(x-p)^2 + q$」の頂点は、
$$頂点(p, q)$$
だったよな。
だから、例題の2つの二次関数の頂点は次のようになる。
$y=3x^2+5x+7$の頂点
平方完成すると、$y=3(x+\frac{5}{6})^2-\frac{59}{12}$になるから、
$(-\frac{5}{6},\frac{59}{12})$
$y=3x^2-11x$
平方完成すると、$y=3(x-\frac{11}{6})^2-\frac{121}{12}$になるから、
$(\frac{11}{6},-\frac{121}{12})$
頂点の求め方の公式を覚えていたやつは、公式に$a・b・c$を代入して二次関数の頂点をそれぞれ求めておくれ。
頂点が求めれば公式を使うが何しようがオッケーだ。
頂点の差を求める
最後に、2つの頂点の差を見つけてゲット。
その頂点のズレを埋めてやるように、二次関数を平行移動させてやればグラフが一致するはずさ。
ここでのコツは、
座標平面に書き出す!
だ。実際に書いてみると見えてくるものもあるのさ。
さて。
1つ目の二次関数の頂点を、2つ目の二次関数の頂点に、一致させるためにはどうすればいい??
そう、
(2つ目の二次関数の頂点 )と(1つ目の二次関数の頂点)の差の分だけ移動させりゃいいよな。
つまり、
(2つ目の二次関数の頂点 )-(1つ目の二次関数の頂点)
の分だけ、移動させりゃ、2つの二次関数は一致するはずだ。
例題の二次関数の頂点たちは、
- 1つ目の頂点:$(-\frac{5}{6},\frac{59}{12})$
- 2つ目の頂点:$(\frac{11}{6},-\frac{121}{12})$
だったよな?
(2つ目の二次関数の頂点 )-(1つ目の二次関数の頂点)
を$x・y$座標それぞれ計算してやろう。
$x$座標
$\frac{11}{6}-(-\frac{5}{6})$
$=\frac{16}{6}$
$=\frac{8}{3}$
$y$座標
$\frac{121}{12}-\frac{59}{12}$
$=-\frac{180}{12}$
$=-15$
ってことで、$x方向$に$\frac{8}{3}$、$y方向$に$-15$移動させれば2つの二次関数は重なるはずさ。
以上、二次関数を平行移動させて一致させる問題の解き方だ。
解けるようになったな?
そじゃぁなぁ!