中学数学では山のように式を展開してきたよな。
お世話になりまくった公式は次の3つだ。
- $(x+a)(x+b) = x^2 + (a+b)x + ab$
- $(a+b)^2 = a^2 + 2ab + b^2$
- $(a+b)(a-b) = a^2 – b^2$
忘れちゃったやつは随時復習しといてや。
でもな、残念ながら高校数学 I ではこいつらに加えて、
3乗の展開公式
が登場するぜ。つまり式を3乗するときに使える計算公式ってわけだ。
3乗の展開公式の2種類
注目の公式は次の2つだ。
- $(a+b)^3 = a^3 + 3a^2b + 3ab^2 + b^3$
- $(a+b)(a^2 – ab + b^2)=a^3+b^3 $
公式 1. $(a+b)^3 = a^3 + 3a^2b + 3ab^2 + b^3$
2つの項が足し算でつながっている式を3乗するときに使える公式だ。
例えば次の式を展開してみようぜ。
$$(2x+3)^3$$
さっきの公式でいうと、
- $a = 2x$
- $b = 3$
になってるな。こいつらを公式に代入してみると、
$$(2x+3)^3$$
$$= (2x)^3 + 3(2x)^2×3 + 3(2x)×3^2 + 3^3$$
$$= 8x^3 + 36x + 54x + 27$$
$$= 8x^3 + 90x + 27$$
はい、出たな。これで$(2x+3)^3$っつう3乗の展開が一発でできるようになったんだ。
公式 2. $(a+b)(a^2 – ab + b^2)=a^3+b^3$
この公式は少々トリッキー。
- 2つの項をたしたやつ
- そいつらをそれぞれ2乗して、足して、それぞれかけあわせてマイナスをつけつけたもの
をかけた時に使える展開公式だ。
こいつは非常に限定的で、たまにしか使えないけど、まあ、練習しとくか。次の計算問題に挑戦してみよう。
$$(x-2)(x^2+2x+4)$$
さっきの公式でいうと、
- $a = x$
- $b = -2$
になってるな。こいつらを公式に代入してみると、
$$(x-2)(x^2+2x+4)$$
$$=(x^3-8)$$
になる。
お察しの通り、偶然に偶然が重ならない限り使えない計算公式だ。
だけどな、のちのち勉強する「3乗の因数分解」で大活躍する・・・と予告しておこう。
その時まで多めに見て待っといてくれよな。
マイナスをつけた3乗の展開公式は?
教科書をみると、4つの3乗の展開公式が並んでるな。
- $(a+b)^3 = a^3 + 3a^2b + 3ab^2 + b^3$
- $(a-b)^3 = a^3 – 3a^2b + 3ab^2 – b^3$
- $(a+b)(a^2 – ab + b^2) =a^3+b^3$
- $(a-b)(a^2 + ab + b^2) =a^3-b^3$
えっ、もしかして妖精が間違えてるんじゃ・・・・と思ったそこのお前!
俺はな、あえて余計な公式を省いてやったんだぞ。感謝しろよ。
そう、俺は「bがマイナスバージョンの公式」を紹介しなかったんだ。
そう、こいつらね。
- $(a-b)^3 = a^3 – 3a^2b + 3ab^2 – b^3$
- $(a-b)(a^2 + ab + b^2) =a^3-b^3$
この余分な2つの公式は、正直、
覚える価値すらない。
なぜなら、プラスの公式の$b$に$-b$を代入すれば出てくるからな。
ほれ、やってみるぞ。
まずは1つ目の公式で$b$に$-b$を代入するぞ。
$$(a+b)^3 = a^3 + 3a^2b + 3ab^2 + b^3$$
$$(a-b)^3 = a^3 + 3a^2×(-b) + 3a×(-b)^2 + (-b)^3$$
$$(a-b)^3 = a^3 – 3a^2b + 3ab^2 – b^3$$
うん、$b$の代わりに$-b$ですべて解決だ。
ほれ、2つ目の公式もやってみるぞ。$b$の代わりに$-b$だ。
$$(a+b)(a^2 – ab + b^2) =a^3+b^3$$
$$(a-b)(a^2 – a × (-b) + (-b)^2) =a^3+(-b)^3$$
$$(a-b)(a^2 + ab +b^2) =a^3-b^3$$
ってな感じで、マイナスの3乗展開公式はすぐに出てくるから大丈夫。
覚えなくてもいいのさ。
心配なやつはプラスの展開公式だけ覚えておこう。
んで、
次は今回紹介した3乗の展開公式の覚え方を伝授するぞ。
それじゃな!