関数のグラフの点を全て同じ方向に移動させること
を
平行移動
っていうんだ。
で、高校数学では二次関数をガンガン平行移動させていくぞ。
ありがたいことにな、二次関数のグラフの平行移動には公式が用意されている。声出して喜んでもいいぞ。
公式
放物線の二次関数の$y= ax^2+bx+c$を$x$方向に$p$、$y$方向に$q$平行移動させたら、放物線の式は次のようになる。
$$y-q= a(x-p)^2+b(x-p)+c$$
早速この公式を使ってみるぞ。
例えば、
$$y= 3x^2+5x+7$$
という二次関数を$x$方向に-3、$y$方向に1、平行移動させてみよう。
さっきの公式でいえば、
- $p=-3$
- $q=1$
っつうわけだ。よって、公式を使って平行移動した放物線の式は次のようになる。
$$y-q= 3(x-p)^2+5(x-p)+7$$
$$y-1= 3(x+3)^2+5(x+3)+7$$
$$y= 3(x^2+6x+9)+5x+15+7+1$$
$$y= 3x^2+18x+27+5x+23$$
$$y= 3x^2+23x+50$$
なぜ二次関数の平行移動の公式が使えるの?
さっきの公式を使えば、どんな二次関数でも平行移動できそうなことがわかった。
だけどよ、なんであの公式が使えるんだろうな??
なぜ$p$を引かなきゃいけないのか??
むしろ、直感的にはたしてやりてえぐらいだしさ。
そんな疑問も冷静に考えれば解けるぞ。
例えば次のように考えてみよう。
$y= f(x)$で表される関数があったとする。
この関数のある1つの点を
$$(x,y)$$
としよう。その点をx方向にp、y方向にqだけ平行移動させた点を
$$(x’,y’)$$
とする。
冷静に考えてみると、移動した点の$(x’,y’)$というやつは、$x$座標は$x+p$になって、$y$座標の$y’$は$y+q$になるよな。
だから、
- $x’=x+p$
- $y’=y+q$
になる。こいつを$xとy$について等式変形してみるぞ。
- $x=x’-p$
- $y=y’-q$
この新しい$xとy$を元の関数$y= f(x)$に代入してみよう。
すると、次のようになる。
$y= f(x)$
$y’-q= f(x’-p)$
になる。すると、どうだ?? 新しく平行移動した$x’$と$y’$で関数が表せているな。
$y= f(x)$という関数を$x方向にp、y方向にq$だけ平行移動させた関数は
$$y-q= f(x-p)$$
になるわけだ。
二次関数の$y= ax^2+bx+c$を$x$方向に$p$、$y$方向に$q$平行移動させたら、yの代わりに「y-q」、xの代わりに「x-p」を入れてやればいい。
よって、
$$y-q= a(x-p)^2+b(x-p)+c$$
になる!
二次関数の平行移動の公式をマスターしたな?
それじゃあな!