【高校数学I】3分でわかる!ヘロンの公式の証明
妖練習 中学数学 平方根 スーパー計算ドリル 900 (中学数学マスターシリーズ)
よう、消しゴムの妖精のクマシロだ。
前回、ヘロンの公式勉強してきたよな。
ヘロンの公式を使えば、
三角形の高さや角度がわからなくても、3辺の長さだけから面積を求められる。
でも、しかし、なぜヘロンの公式が使えるんだろうか。
気になるよな。
今日は、ヘロンの公式の証明をわかりやすく解説するぞ。
証明したいヘロンの公式を事前チェック
まずは証明したいヘロンの公式をおさらいだ。
三角形ABCを考える。
角A、角B、角Cの向かい側の辺を、それぞれ、
$$
a
$$
$$
b
$$
$$
c
$$
とする。
つまり、
$$
BC=a
$$
$$
CA=b
$$
$$
AB=c
$$
である。

三角形ABCの面積を、
$$
S
$$
とする。
また、
$$
s=\frac{a+b+c}{2}
$$
とする。
今回証明したいのは、
$$
S=\sqrt{s(s-a)(s-b)(s-c)}
$$
である。
最初からヘロンの公式を作ろうとすると難しい。まずは、すでに知っているsinの面積公式から出発するぞ。
3分でわかる!ヘロンの公式の証明
ヘロンの公式の証明は、次の流れで進めるぞ。
- sinを使った面積公式から始める
- sinをcosで表す
- 余弦定理を使ってcosを3辺で表す
- 平方差の公式を使って因数分解する
- 半周sを使って式を書き換える
つまり、
$$
面積と\sin A
$$
$$
\Downarrow
$$
$$
\sin Aと\cos A
$$
$$
\Downarrow
$$
$$
余弦定理で3辺だけの式
$$
$$
\Downarrow
$$
$$
平方差で因数分解
$$
$$
\Downarrow
$$
$$
ヘロンの公式
$$
という流れだな。
sinを使った面積公式から始める
三角形ABCの面積は、
$$
S=\frac{1}{2}bc\sin A
$$
で求められたよな?
この公式が出発点だ。
sinAをcosAで表す
三角比の相互関係より、
$$
\sin^2 A+\cos^2 A=1
$$
が成り立つ。
したがって、
$$
\sin^2 A=1-\cos^2 A
$$
である。
三角形の内角では、
$$
0^\circ<A<180^\circ $$ なので、 $$ \sin A>0
$$
である。
よって、
$$
\sin A=\sqrt{1-\cos^2 A}
$$
となる。
これを面積公式、
$$
S=\frac{1}{2}bc\sin A
$$
に代入すると、
$$
S
=
\frac{1}{2}bc\sqrt{1-\cos^2 A}
$$
となる。
ヘロンの公式には角がない。そこで、まずsinAをcosAに直し、そのcosAを余弦定理で3辺の式に変えるんだ。
余弦定理でcosAを表す
余弦定理より、
$$
a^2=b^2+c^2-2bc\cos A
$$
が成り立つ。
これを、
$$
\cos A
$$
について整理する。
まず、
$$
2bc\cos A=b^2+c^2-a^2
$$
となる。
したがって、
$$
\cos A
=
\frac{b^2+c^2-a^2}{2bc}
$$
である。
この式を、
$$
S
=
\frac{1}{2}bc\sqrt{1-\cos^2 A}
$$
に代入する。
すると、
$$
S
=
\frac{1}{2}bc
\sqrt{
1-
\left(
\frac{b^2+c^2-a^2}{2bc}
\right)^2
}
$$
となる。
これで、角Aが消え、三角形の3辺だけを含む式になったな。
平方根の中を1つの分数にする
平方根の中の、
$$
1
$$
を、分母が、
$$
(2bc)^2
$$
になるように表す。
$$
1=\frac{(2bc)^2}{(2bc)^2}
$$
なので、
$$
1-
\left(
\frac{b^2+c^2-a^2}{2bc}
\right)^2
=
\frac{
(2bc)^2-(b^2+c^2-a^2)^2
}
{(2bc)^2}
$$
となる。
したがって、
$$
S
=
\frac{1}{2}bc
\sqrt{
\frac{
(2bc)^2-(b^2+c^2-a^2)^2
}
{(2bc)^2}
}
$$
である。
ここで、
$$
b>0,\quad c>0
$$
なので、
$$
\sqrt{(2bc)^2}=2bc
$$
である。
よって、
$$
S
=
\frac{1}{2}bc
\cdot
\frac{1}{2bc}
\sqrt{
(2bc)^2-(b^2+c^2-a^2)^2
}
$$
となる。
前の係数を計算すると、
$$
\frac{1}{2}bc\cdot\frac{1}{2bc}
=
\frac{1}{4}
$$
なので、
$$
S
=
\frac{1}{4}
\sqrt{
(2bc)^2-(b^2+c^2-a^2)^2
}
$$
となる。
1回目の平方差を使う
ここが証明の最初の山場だ。
平方根の中は、
$$
(2bc)^2-(b^2+c^2-a^2)^2
$$
となっているな?
これは、
$$
X^2-Y^2
$$
の形だから、因数分解の平方差の公式、
$$
X^2-Y^2=(X+Y)(X-Y)
$$
を使えるぞ。
ここで、
$$
X=2bc
$$
$$
Y=b^2+c^2-a^2
$$
と考える。
すると、
$$
(2bc)^2-(b^2+c^2-a^2)^2
$$
$$
=
\{2bc+(b^2+c^2-a^2)\}
\{2bc-(b^2+c^2-a^2)\}
$$
となる。
したがって、
$$
S
=
\frac{1}{4}
\sqrt{
\{2bc+(b^2+c^2-a^2)\}
\{2bc-(b^2+c^2-a^2)\}
}
$$
である。
長い式に見えるが、正体はX²−Y²だ。まず平方差の公式で2つの因数に分けるぞ。
それぞれの因数を整理する
まず、
$$
2bc+(b^2+c^2-a^2)
$$
を整理する。
項の順番を変えると、
$$
b^2+2bc+c^2-a^2
$$
となる。
ここで、
$$
b^2+2bc+c^2=(b+c)^2
$$
なので、
$$
2bc+(b^2+c^2-a^2)
=
(b+c)^2-a^2
$$
となる。
次に、
$$
2bc-(b^2+c^2-a^2)
$$
を整理する。
マイナスのかっこを外すと、
$$
2bc-b^2-c^2+a^2
$$
となる。
項の順番を変えると、
$$
a^2-(b^2-2bc+c^2)
$$
である。
ここで、
$$
b^2-2bc+c^2=(b-c)^2
$$
なので、
$$
2bc-(b^2+c^2-a^2)
=
a^2-(b-c)^2
$$
となる。
したがって、
$$
S
=
\frac{1}{4}
\sqrt{
\{(b+c)^2-a^2\}
\{a^2-(b-c)^2\}
}
$$
である。
2回目の平方差を使う
平方根の中にある2つの式も、どちらも平方差になっている。
まず、
$$
(b+c)^2-a^2
$$
に平方差の公式を使うと、
$$
(b+c)^2-a^2
=
(b+c+a)(b+c-a)
$$
となる。
次に、
$$
a^2-(b-c)^2
$$
に平方差の公式を使うと、
$$
a^2-(b-c)^2
=
\{a+(b-c)\}\{a-(b-c)\}
$$
となる。
かっこを整理すると、
$$
a+(b-c)=a+b-c
$$
であり、
$$
a-(b-c)=a-b+c
$$
である。
したがって、
$$
a^2-(b-c)^2
=
(a+b-c)(a-b+c)
$$
となる。
以上より、
$$
S
=
\frac{1}{4}
\sqrt{
(a+b+c)
(-a+b+c)
(a-b+c)
(a+b-c)
}
$$
となる。
順番を整えると、
$$
S
=
\frac{1}{4}
\sqrt{
(a+b+c)
(b+c-a)
(c+a-b)
(a+b-c)
}
$$
である。
平方差をもう一度使うと、a+b+cや、b+c−aのような因数が現れる。ここから半周sにつながるぞ。
sを使って書き換える
ここでヘロンの公式のsを思い出してくれ。
$$
s=\frac{a+b+c}{2}
$$
この式から、
$$
a+b+c=2s
$$
が成り立つ。
また、
$$
s-a
=
\frac{a+b+c}{2}-a
$$
なので、
$$
s-a
=
\frac{-a+b+c}{2}
$$
である。
したがって、
$$
-a+b+c=2(s-a)
$$
となる。
同じように、
$$
s-b
=
\frac{a-b+c}{2}
$$
なので、
$$
a-b+c=2(s-b)
$$
である。
また、
$$
s-c
=
\frac{a+b-c}{2}
$$
なので、
$$
a+b-c=2(s-c)
$$
となる。
したがって、平方根の中の4つの因数は、
$$
a+b+c=2s
$$
$$
-a+b+c=2(s-a)
$$
$$
a-b+c=2(s-b)
$$
$$
a+b-c=2(s-c)
$$
と書き換えられる。
ヘロンの公式を完成させる
先ほど、
$$
S
=
\frac{1}{4}
\sqrt{
(a+b+c)
(-a+b+c)
(a-b+c)
(a+b-c)
}
$$
であった。
半周を使った式を代入すると、
$$
S
=
\frac{1}{4}
\sqrt{
2s\cdot
2(s-a)\cdot
2(s-b)\cdot
2(s-c)
}
$$
となる。
平方根の中では、
$$
2\cdot2\cdot2\cdot2=16
$$
なので、
$$
S
=
\frac{1}{4}
\sqrt{
16s(s-a)(s-b)(s-c)
}
$$
である。
$$
\sqrt{16}=4
$$
なので、
$$
S
=
\frac{1}{4}
\cdot4
\sqrt{
s(s-a)(s-b)(s-c)
}
$$
となる。
したがって、
$$
S
=
\sqrt{
s(s-a)(s-b)(s-c)
}
$$
である。
これで、ヘロンの公式、
$$
\boxed{
S=\sqrt{s(s-a)(s-b)(s-c)}
}
$$
を証明できたな。
ヘロンの公式は突然現れた公式ではない。sinの面積公式から始め、余弦定理で角を消し、平方差で因数分解すると導けるんだ。
それじゃあな。
妖練習 中学数学 平方根 スーパー計算ドリル 900 (中学数学マスターシリーズ)




