絶対値とは、
ある数字の0からの距離
だったよな。
つまり、その数字が0からどれだけ離れているかを大きさで表したものだ。
例えば、「− 2の絶対値」は「2」、「− 15」の絶対値は「15」だ。
たとえるなら、絶対値は「数字のパワー」みたいなもんだ。
この絶対値は中学数学でも勉強したが、高校数学でもこいつがつきまとうぞ。
しかも、高校ではこの絶対値がさらに進化して、
絶対値の記号
が登場するんだぜ。
絶対値記号の使い方
絶対値の記号は次のものだ。
│
どっからどうみても、縦棒だよな。こいつで数字を挟むと、その挟まれた数字の絶対値を表すことになるぞ。
例えば「2」をこの縦棒「│」で挟んでみると、
│2│
になるな。
この│2│は「2の絶対値」を表すんだ。
絶対値記号の外し方
絶対値記号の意味を覚えられたら次は、絶対値記号を外す技をマスターするぞ。
絶対値記号を外す時に使える便利な法則があってな、次のものだ。
$$a≧0 のとき │a│ = a$$
$$a<0 のとき │a│ = -a$$
絶対値記号の中の数が0より以上だったら、その数と同じものが絶対値になる。
一方、絶対値記号の中の数が0より小さかったら、その数字にマイナスをつけた数字が絶対値になる、ってことを言ってるんだな。
たとえば、
$│− 5│$
なら、中の数字「-5」は0よりも小さい!
ゆえ、この絶対記号を外したら、その中の数字「-5」にマイナスをつけた数字が絶対値になるから、
$│− 5│$
$= -(-5)$
$= 5$
になるわけだ。
中学数学で何となく理解してできていたことを、高校数学では数式で表してるんだな。
ルートが混じった絶対値記号の外し方は?
でも、たまーに、ルートが混じった式に絶対値の記号がついているやつがいるんだ。
例えば、次のもの。
$│\sqrt{3} − 3│$
絶対値の記号の中身にルートがついていようがなかろうが、やる事は同じだ。
絶対値記号の中身が0以上か確認して、そうだったらそのまま中身を出せばいい。
中身が0より小さかったら、マイナスの符号をつけて出せばいいんだ。
さっきの例だと、記号の中身の
$\sqrt{3} − 3$
が0以上かどうかみてやりゃいいんだな。
ルート3の近似値は「ひとなみにおごれや」で、
1.730508..
だったな。
ってことは、
$\sqrt{3} − 3$
$≒1.7 – 3$
$≒- 1.3$
だ。つまり、
$\sqrt{3} − 3$は「0より小さくなりそう」だな。
したがって、絶対値記号の中身が0より小さくなるときはマイナスをつけて外せばいいから、
$│\sqrt{3} − 3│$
$=-(\sqrt{3} − 3)$
$=-\sqrt{3} + 3$
になるな。
絶対値記号の中に「文字」が入ってる問題は?
でもな、絶対記号の中身がさ、ルートだけにとどまらず、
文字がはさまってる問題もたまにあるんだ。
例えば、次のやつ。
$│x+1│$
安心しろ。
文字が挟まっていようがなかろうが、やる事は同じだ。
絶対値記号の中身が「0以上か」判定してやるぞ。
でも、$x$という文字はどれぐらい大きいがわからないよな。
ルートのときみたいに推測できねえ。
こういう大きさがわからない文字のときは
場合分け
だ。
つまり、絶対値記号の中身が
- 0以上のとき
- 0より小さいとき
の2パターンに場合分けをするんだ。
そして、それぞれのパターンで絶対値記号を外したときの値を考えるんだ。
さっきの例で考えてみるぞ。
$│x+1│$
中身の$x+1$が0以上の時、つまり不等号で表すと、
$x+1≧0$
つまりつまり、
$x≧-1$
のときだな。
その場合、絶対値記号の中身が0以上だから、そのまま絶対値記号を外すだけでオッケーだ。
$│x+1│$
$=x+1$
一方、中身の$x+1$が0より小さい時、つまり不等号で表すと、
$x+1<0$
つまりつまり、
$x<-1$
のときだな。
この場合は絶対値記号の中身が0より小さい!
ってことで、マイナスの符号をつけて絶対値記号を外すぞ。
$│x+1│$
$=-(x+1)$
$=-x-1$
ってことで、以上の流れをまとめると、
- $x≧-1のとき、│x+1│=x+1$
- $x<-1のとき、│x+1│=-x-1$
となる。
ふう、文字が入ってると場合分けが登場して少々厄介だが、やることは同じだったな。
ここでマスターした絶対値記号の外し方を使って、次回は「平方根の外し方(高校バージョン)」を勉強していこう。
それじゃな!