ここまで消化の流れを勉強してきたよね。
食物を口に入れて噛み砕いて分解して、体内で運びやすくやすい形にしてから全身に運ぶ流れを見てきたね。
その流れで重要な役割をしている器官の1つに、
小腸(しょうちょう)
があるよ。
実はこの小腸の壁はひだ状になってるんだ。
ひだ状、つまり、
細い折り目
が壁に付いているってわけ。
ファッション用語でいうと「プリーツ」さ。
そのプリーツ状になった小腸の壁の表面には、
柔毛(じゅうもう)
という突起物(出っ張り)がたくさんあるんだ。
ここではこの小腸の柔毛の役割・利点を見ていこう。
小腸の柔毛の2つの役割
小腸の柔毛の役割は次の2つあるよ。
1. 「毛細血管」へ「ブドウ糖」と「アミノ酸」を送る
1つ目の役割はこうさ。
小腸まで運んできた、
- ブドウ糖
- アミノ酸
を柔毛の中に流れる毛細血管に取り入れる役割だ。
毛細血管とは、
動脈と静脈をつなぐ細い血管のこと
だったね。
これらのアミノ酸とブドウ糖は毛細血管から肝臓に運ばれて、肝臓に蓄えられるんだ。
肝臓でアミノ酸は必要に応じてタンパク質にかえられて全身の細胞へ届けられるよ。
一方、ブドウ糖は必要な時に肝臓が分解してグリコーゲンに変換して、血管を通して全身の細胞に運ばれるんだ。
2. 「脂肪酸」と「モノグリセリド」を吸収する
次は脂肪を吸収する役割だね。
脂肪はすい液の消化酵素「リパーゼ」によって
- 脂肪酸
- モノグリセリド
に変換されて全身をめぐってきた。
この柔毛では「脂肪酸」と「モノグリセリド」が再び脂肪に変換し直すよ。
それをリンパ管に流して、そのリンパ管は心臓の近くで血管と合流するんだ。
そして、この心臓近くに運ばれてきた脂肪は、心臓近くの血管から全身の細胞に運ばれるのさ。
小腸の柔毛の利点
以上が小腸の柔毛の役割だよ。
それじゃあ、
なぜ、小腸の壁はひだ状になっていて、表面は柔毛で凹凸をしているんだろう??
その構造の利点は、
小腸の内部の壁の表面積が大きくなる
というメリットさ。
小腸まではるばる消化管を通して運んできた物質をできる限り効率よく吸収したいじゃん?
- 分解して運んできた物質
- 小腸の壁
が接する面が大きくなれば、物質を吸収するチャンスが増える、つまり、吸収しやすくなるんだ。
小腸の壁はツルツルしているよりも、凸凹していたほうが多くの栄養素を小腸で吸収できるのさ。
うん、以上が小腸の柔毛の役割と利点さ。
そんじゃねー