海陸風(かいりくふう)とは、
「海」と「陸」の間に吹く風の一種。
昼と夜の風向きが違う
という特徴があるね。
昼は「海から陸に」吹いて、
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夜は「陸から海に」吹くんだ。
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このように風向きが昼と夜で変化する不思議な「海陸風」。
今日はそのメカニズム、仕組みを解説していくよ。
テスト前に知っておきたい海陸風のメカニズム
大前提として知っておきたいのが、
水には
温まりにくく、冷めにくい
っていう性質があること。
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この性質がゆえに、海陸風が発生するんだ。
海陸風のメカニズムを解剖するため、「昼」と「夜」のケースにわけて考えてみよう。
昼の場合
まず、太陽が出ている昼間だね。
昼間は太陽が出ているから、海・陸ともに太陽光エネルギーによってあたためられることになる。
ただし、海と陸の「温まるスピードの違い」に注意ね。
さっきチラッと触れたけど、海を構成する「水」には、
温まりにくく、冷めにくい
という性質があるから、海は陸と比べると「温まりにくい」。
昼の時間帯は、陸が海よりも温度が高くなるんだね。
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このように海と陸で温度差が生じることで、
陸の空気は気圧が低くなる
という現象が起きるよ。
陸の空気の方があたたかいから、空気が膨張して密度が小さくなる。
結果的に、陸の空気は気圧が低くなるんだ。
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そして、空気には、
気圧が高いところから低いところへ流れる
という性質があったよね?
だから、海側から陸側に空気は流れ込むのさ。
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これが昼間の場合だ。
夜の場合
続いて夜の場合。
太陽が沈んで、陸も海も冷える冷える。
海は陸よりも冷めにくいから、今度は昼間とは逆に、
陸よりも海があたたかくなるんだ。
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だから、海の空気のほうが、陸の空気よりも温度が高くなるよ。
それによって、海の空気は膨張して密度が小さくなって、気圧が低くなる。
昼だろうと夜だろうと、空気には
気圧が高いところから低いところへ流れる
という性質があるから、陸側から海側に風が吹くんだ。
![](https://text.tomo.school/wp-content/uploads/2020/09/kairi7.png)
これが夜の場合だね。
こんな感じで、海陸風は、
- 昼:海 → 陸
- 夜:陸 → 海
と、昼と夜で風向きが逆になる。
これが海陸風の大まかなメカニズムさ。
なぜ水は温まりにくく冷めにくいのか?
なるほど。
海陸風の仕組みはだいたいわかったけど、ちょっと気になるのが、
なぜ水は温まりにくく冷めにくいのだろうか?
ってこと。
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この水の性質があるからこそ、海陸風が発生しているからね。
じゃあ、そもそも、
なぜ水は「温まりにくく冷めにくい」のだろう??
ずばり、水には、
比熱容量が大きい
という性質があるからなんだ。
「比熱容量」とは、
単位質量あたり、単位温度を上げるために必要な熱量のこと
で、単位は [ ジュール / kg ・ケルビン(温度の単位)] を使うよ。
つまり、比熱容量は、
温度のあがりにくさ
を表しているんだ。
比熱容量が大きいほど、温度が上がりにくく、逆に小さいと、温度が上がりやすい物質ってわけ。
試しに、水の比熱容量を他の物質と比べてみよう。
例えば、陸を構成している岩石に含まれていそうな鉄の比熱容量。
物質の種類 | 比熱容量 [ J / kg ・K ] |
---|---|
水 | 4.18×10³ |
鉄 | 0.45×10³ |
なんと、
水の比熱容量は鉄の9.29倍!!
水は鉄の9倍温まりにくいってわけだね。
それではなぜ水の比熱容量が大きいのだろう??
それは、水の分子構造に理由がある。
水の分子構造はH2Oで、酸素分子の下に角度付きで、水素原子が2つぶら下がっているよね。
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そして酸素分子はマイナスの電荷、水素原子はプラスの電荷を帯びている。
水全体になった時、水分子が何個も連なるんだ。
マイナスの電荷を帯びている酸素原子側に、プラス電荷の水素原子がくっつくことで、非常に強固な結合になる。
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これを「水素結合」と呼んでいるよ。
この非常に強い水素結合は崩れにくく、太陽光からエネルギーを受け取っても、結合が崩れにくい。
だから、水の温度が上がりにくいんだ。つまり、水の比熱容量が大きいってわけ。
こんな感じで海陸風のメカニズムは意外と簡単さ。
ただ、海陸風の元となっている根源を理解することも大切だね。
なぜ水は
温まりにくく、冷めにくい
という性質を持っているのかまで掘り下げると理解が深まるよ。
次は「季節風の仕組み」を勉強していこう。
そんじゃねー
Ken
【参考記事】