三角形の内接円の半径の求め方|公式の証明となぜ成り立つかを解説
妖練習 中学数学 文字式 スーパードリル 900 (中学数学マスターシリーズ)
よう、消しゴムの妖精のクマシロだ。
三角形の3辺すべてに接する円を、
内接円
というだったよな?
内接円の半径を求めるときには、三角形の面積との間にある次の公式を使うぞ。
$$
S=\frac{1}{2}(a+b+c)r
$$
ここで、$S$は三角形の面積、$a,\ b,\ c$は三角形の3辺の長さ、$r$は内接円の半径だ。
三角形ABCの内心を、$I$としている。

三角形の内接円の半径の求め方
よし、じゃあ早速公式を使って例題を解いてみるぞ。
三角形ABCにおいて、
$$
a=5
$$$$
b=6
$$$$
c=7
$$とする。
この三角形の内接円の半径、
$$
r
$$を求めてみよう。
オッケー、公式で楽勝に計算でき・・・・
おっと、公式を使うには三角形の面積$S$が必要だったな?
はて、現状ではわからんぞ。
そこで、まず余弦定理とsinの面積公式を使って、三角形ABCの面積を求めるんだ。
余弦定理でcosAを求める
余弦定理より、
$$
\cos A
=
\frac{b^2+c^2-a^2}{2bc}
$$
である。
ここに、
$$
a=5
$$
$$
b=6
$$
$$
c=7
$$
を代入すると、
$$
\cos A
=
\frac{6^2+7^2-5^2}{2\cdot6\cdot7}
$$
$$
=
\frac{36+49-25}{84}
$$
$$
=
\frac{60}{84}
$$
したがって、
$$
\cos A=\frac{5}{7}
$$
となる。
cosAからsinAを求める
三角比の相互関係より、
$$
\sin^2A+\cos^2A=1
$$
である。
角Aは三角形の内角なので、
$$
\sin A>0
$$
である。
したがって、
$$
\sin A
=
\sqrt{1-\cos^2A}
$$
となる。
$$
\cos A=\frac{5}{7}
$$
を代入すると、
$$
\sin A
=
\sqrt{1-\left(\frac{5}{7}\right)^2}
$$
$$
=
\sqrt{1-\frac{25}{49}}
$$
$$
=
\sqrt{\frac{24}{49}}
$$
$$
=
\frac{2\sqrt{6}}{7}
$$
となる。
三角形ABCの面積を求める
三角形の面積公式より、
$$
S=\frac{1}{2}bc\sin A
$$
である。
値を代入すると、
$$
S
=
\frac{1}{2}
\cdot6
\cdot7
\cdot\frac{2\sqrt{6}}{7}
$$
となる。
約分して計算すると、
$$
S=6\sqrt{6}
$$
である。
内接円の半径を求める
三角形の面積と内接円の半径の関係は、
$$
S=\frac{1}{2}(a+b+c)r
$$
である。
ここに、
$$
S=6\sqrt{6}
$$
$$
a=5
$$
$$
b=6
$$
$$
c=7
$$
を代入する。
$$
6\sqrt{6}
=
\frac{1}{2}(5+6+7)r
$$
$$
6\sqrt{6}
=
\frac{1}{2}\cdot18r
$$
$$
6\sqrt{6}=9r
$$
したがって、
$$
r=\frac{6\sqrt{6}}{9}
$$
約分すると、
$$
r=\frac{2\sqrt{6}}{3}
$$
となる。
よって、三角形ABCの内接円の半径は、
$$
\boxed{\frac{2\sqrt{6}}{3}}
$$
である。
3辺だけが与えられたら、まず余弦定理とsinで面積を求める。そのあと、面積と3辺の和から内接円の半径を出せばいいぞ。
三角形の内接円の半径の公式はなぜ成り立つの??
ふー、全く便利な公式だぜ。
でもさ、なぜ
$$
S=\frac{1}{2}(a+b+c)r
$$
という公式が使えるのか、気になるよな。
ってことで、この公式がなぜ成り立つのかを証明していくぞ。
三角形ABCの内心を、
$$
I
$$
とする。
内心Iと、三角形の3つの頂点、
$$
A
$$
$$
B
$$
$$
C
$$
をそれぞれ結ぶ。

すると、三角形ABCは、
$$
\triangle IBC
$$
$$
\triangle ICA
$$
$$
\triangle IAB
$$
という3つの三角形に分かれる。
したがって、三角形ABCの面積は、
$$
S
=
\triangle IBCの面積
+
\triangle ICAの面積
+
\triangle IABの面積
$$
となるはずさ。
3つの三角形の高さはすべてrになる
内接円は、三角形ABCの3辺すべてに接している。
円の中心から接線へ引いた半径は、接線に垂直である。
したがって、内心Iから辺BCへ下ろした垂線の長さは、
$$
r
$$
である。
同じように、内心Iから辺CA、辺ABへ下ろした垂線の長さも、
$$
r
$$
である。
つまり、
$$
\triangle IBC
$$
$$
\triangle ICA
$$
$$
\triangle IAB
$$
の高さは、すべて、
$$
r
$$
になる。

ここが、この公式の最も重要なポイントである。
三角形IBCの面積
三角形IBCでは、底辺を、
$$
BC=a
$$
とする。
高さは、内心Iから辺BCまでの距離なので、
$$
r
$$
である。
したがって、
$$
\triangle IBCの面積
=
\frac{1}{2}ar
$$
となる。
三角形ICAの面積
三角形ICAでは、底辺を、
$$
CA=b
$$
とする。
高さは、
$$
r
$$
である。
したがって、
$$
\triangle ICAの面積
=
\frac{1}{2}br
$$
となる。
三角形IABの面積
三角形IABでは、底辺を、
$$
AB=c
$$
とする。
高さは、
$$
r
$$
である。
したがって、
$$
\triangle IABの面積
=
\frac{1}{2}cr
$$
となる。
3つの小さな三角形は、底辺だけがa、b、cと違う。高さはどれも内接円の半径rなんだ。
3つの面積を足す
三角形ABCの面積は、3つの小さな三角形の面積の和である。
したがって、
$$
S
=
\frac{1}{2}ar
+
\frac{1}{2}br
+
\frac{1}{2}cr
$$
となる。
右辺から、
$$
\frac{1}{2}r
$$
をくくり出すと、
$$
S
=
\frac{1}{2}(a+b+c)r
$$
となる。
これで、
$$
S=\frac{1}{2}(a+b+c)r
$$
が成り立つことを証明できたな。
内接円の半径は、三角形の面積と3辺の和から求められる。公式を丸暗記するだけでなく、なぜその公式が使えるか、まで深ぼっておこうな。
それじゃあな。
妖練習 中学数学 文字式 スーパードリル 900 (中学数学マスターシリーズ)


