篝とは?古典に出てくる篝火の意味と源氏物語との関係をわかりやすく解説
妖練習 中学古文 歴史的仮名遣い スーパードリル 330
古典や『源氏物語』を読んでおりますと、現代ではあまり見かけない道具や設備の名前が出てまいります。
その一つが、
篝
でございます。
篝(かがり)とは??
篝とは、夜間の照明や警護などのために火を燃やす籠、またはそこで燃やす火のことでございます。
読み方は、かがりです。
一般的には、鉄製の籠などに薪を入れて燃やし、その炎で周囲を照らします。
つまり、篝とは、夜に明かりをともすための火や、その火を燃やす設備でございます。

篝は、主に夜間の照明として使われました。
電灯のない時代には、夜になると屋外は暗くなります。
そこで薪などを燃やし、炎の明かりで周囲を照らしたのでございます。
篝火は、照明だけでなく、夜間の警護や漁などにも使われました。
- 照明:夜の庭や建物の周囲を照らす。
- 警護:夜間の見張りや警備に役立てる。
- 行事:夜の催しなどで明かりをともす。
- 漁:夜の漁で火の明かりを利用する。
つまり篝は、現代の屋外照明や投光器のような働きをしていたのでございます。
篝と篝火の違い
篝と篝火は、よく似た言葉です。
実際、どちらも夜に燃やす火を指すことがございます。
ただし、もともとの意味を意識すると、その違いがわかりやすくなります。
篝は火を燃やす籠
篝は、火を燃やすための鉄製の籠を指すことがございます。
薪などを籠の中に置き、火をともします。
つまり篝は、火を燃やす設備そのものを指すこともある言葉です。
篝火はそこで燃やす火
一方、篝火は、その籠などで燃やす火のことでございます。
篝に「火」という字が加わっておりますので、炎そのものをイメージしやすい言葉ですわね。
| 言葉 | 読み方 | 意味 |
|---|---|---|
| 篝 | かがり | 火を燃やす籠、またはその火 |
| 篝火 | かがりび | 夜間の照明などのために燃やす火 |
篝と篝火は、意味が重なることもございます。
そのため、古典で「篝」と出てきたら、必ず籠だけを指すとは限りません。
文脈に応じて、火を燃やす設備なのか、燃えている火そのものなのかを考えるとよろしいです。
篝火は平安時代の屋外照明
平安時代には、現代のような電灯はございません。
夜の庭や建物の周囲を照らすためには、火の明かりが必要でした。
篝火は、そのような場面で役立つ照明だったのでございます。
夜の庭を照らす
篝火は、夜の庭や屋外の空間を照らします。
薪を燃やすと、炎が揺れながら周囲を明るくします。
電灯のように一定の明るさを保つわけではありません。
風が吹けば炎が揺れ、薪が燃えれば光の強さも変わります。
そのため、篝火の明かりには、独特の陰影が生まれます。
夜の警護にも使われた
篝火は、夜間の警護や見張りにも使われました。
周囲を照らすことで、人や物の動きが見えやすくなります。
現代の防犯灯や屋外照明にも通じる役割でございます。
もちろん、篝火そのものが警備をするわけではございません。
夜の警護を行う人々にとって、明かりが重要だったということでございます。
現代風にいうと屋外照明
篝火を現代風にたとえるなら、庭園灯、屋外照明、イベント用の照明などに近いです。
ただし、大きな違いがございます。
篝火は、本物の火でございます。
炎が揺れます。
煙が上がります。
薪が燃える音がします。
そして、火が弱くなれば薪を足さなければなりません。
つまり篝火は、明るさだけでなく、炎の動きや煙まで感じさせる照明なのでございます。
源氏物語の「篝火」とは
実は『源氏物語』には、「篝火(かがりび)」という巻がございます。
全54帖のうち、第27帖でございます。
この巻では、光源氏と玉鬘の関係が描かれ、篝火の炎と煙が恋心の表現に使われます。
篝火は源氏物語の第27帖
『源氏物語』の第27帖「篝火」は、光源氏が36歳のころの物語でございます。
登場する重要な人物は、光源氏と玉鬘です。
玉鬘は、光源氏がかつて愛した夕顔の娘でございます。
実の父親は、光源氏の友人でありライバルでもある頭中将です。
光源氏は、成長した玉鬘を引き取り、自分の娘という立場で保護しています。
ところが、光源氏は玉鬘に対して、父親としての愛情だけではない恋心を抱いてしまいます。
これが、「篝火」の巻を読むうえで重要な背景でございます。
光源氏と玉鬘の複雑な関係
光源氏と玉鬘には、血のつながりはございません。
けれども、光源氏は玉鬘を自分の娘として扱っております。
つまり、表向きは父と娘の関係です。
その一方で、光源氏自身は玉鬘に恋愛感情を抱いております。
玉鬘にとって光源氏は、保護してくれる頼もしい人物であると同時に、恋心を向けてくる困った相手でもあるのです。
この複雑な関係が、篝火の場面にも表れてまいります。
古典で篝が出てきたらどう読むか
古典で篝や篝火が出てきたら、まずは夜間の照明として読むとわかりやすいです。
そのうえで、どのような場面に登場しているのかを考えてみましょう。
夜の照明として読む
篝火が出てきたら、夜の屋外で火を燃やしている様子を思い浮かべましょう。
庭や建物の周囲に明かりがともされ、炎が揺れています。
現代の電灯とは違う、火の明かりによる夜の空間でございます。
警護や行事の場面にも注目する
篝火は、警護や行事にも使われます。
そのため、必ずしも恋愛場面に登場するとは限りません。
夜の見張りや催しなど、実用的な明かりとして使われることもございます。
まずは、その場面でどのような役割を持っているのかを確認するとよろしいです。
和歌に出てきたら象徴にも注目する
篝火が和歌に登場する場合は、炎や煙に別の意味が重ねられていることがございます。
たとえば、炎が恋心を表したり、煙が消えない思いを表したりします。
『源氏物語』の「篝火」は、まさにそのような例でございます。
篝火をただの照明と読むだけでは、和歌に込められた人物の気持ちを十分に理解できません。
火そのものの意味と、比喩としての意味を分けて考えることが大切ですわ。
まとめ:篝の意味を整理
最後に、篝と篝火の意味を整理しておきましょう。
ポイント
- 篝は「かがり」と読む。
- 火を燃やすための鉄製の籠、またはそこで燃やす火を指す。
- 篝火は「かがりび」と読む。
- 篝火は、夜間の照明や警護などのために燃やす火。
- 現代風には屋外照明に近い。
- 『源氏物語』には第27帖「篝火」がある。
- 「篝火」では光源氏と玉鬘の複雑な関係が描かれる。
- 光源氏は篝火の煙に恋心を重ねる。
- 玉鬘はその恋心を受け流す歌を返す。
- 篝火は照明であると同時に、恋心を表す象徴にもなっている。
一言でいうと
篝とは、夜間の照明などのために火を燃やす籠、またはそこで燃やす火のことでございます。
『源氏物語』では、篝火の炎や煙が、人物の恋心を表すものとしても使われております。
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